新しい資金調達方法クラウドファンディングを農家が活用するには?

新しい資金調達方法クラウドファンディングを農家が活用するには?

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最近クラウドファンディングという言葉をよく耳にします。
資金を調達する手段の一つとして、浸透しつつあるクラウドファンディングですが、農家が活用することもできるのでしょうか。答えは「YES」です。
「資金調達が100%成功するとは限らない」ということを先に伝えておきますが、上手に活用すれば生産物の広告・宣伝にもつながります。

今回は、そんなクラウドファンディングについてご紹介します。

 

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングは資金を集める方法の一つです。
「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」を合わせた造語で、その名の通り、不特定多数の人から資金を調達します。そのため、資金を集める目的・理由となるアイディアを不特定多数の人に対して呼びかける必要があります。

アイディアの提案者は、専用のインターネットサイトなどを用いて

 ・こんなモノをつくりたい
 ・こんなサービスを提供したい
 ・こんな風に問題を解決したい

と呼びかけます。資金は、それに共感した人達が提供してくれるのです。

いつごろから日本で広まったか?

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日本で広まる前から、世界中で多くのクラウドファンディングサイトが生まれていました。日本で広まったのは2011年に発生した東日本大震災がきっかけと言われています。
「被災地復興事業の資金調達」として、クラウドファンディング の存在が広まりました。
ただ、このクラウドファンディング の基本的な考え方においては、昔から存在していたと言います。鎌倉幕府ができる前、焼き討ちなどで消失した寺や大仏などの修復のため、全国各地にいる信者などから寄付を募り、修復を実現した形はまさにクラウドファンディング です。

 

4つのタイプ

クラウドファンディングには、

・寄付型
・投資型
・融資型
・購入型

の4つのタイプがあります。

「寄付型」は、集めた資金を全額寄付に充てます。クラウドファンディングでは「リターン」という“支援者だけがもらえる特典”が存在するのですが、「寄付型」はその名の通り、完全に寄付を目的とした資金調達となります。リターンはありません。

「投資型」は、いわゆる株式投資に似ています。支援者へのリターンは「配当」です。支援者は、資金調達のプロジェクトで発生した利益を、配当として受け取ることができます。

「融資型」は、支援者が「利子」と言う形で一定のリターンを受け取ることができます。

「購入型」は、農家が活用する場合にはメジャーなのではないでしょうか。
これは、支援者へのリターンが「モノ」や「サービス」や「権利」となります。「支援者に収穫物を提供する」のも、「購入型」のリターンとなります。

 

今では様々な分野でクラウドファンディングが利用されている

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クラウドファンディングは、商品開発やサービス提供だけでなく、映画製作、本の出版、先進医療の研究、新興国への自立支援など、その分野は多岐に渡ります。インターネットを眺めていると、個人のための資金調達にも活用されています。
ぜひ一度国内外問わず、クラウドファンディングサイトを覗いてみてください。その幅広すぎる分野に驚きますよ!

 

農家がクラウドファンディングで成功した事例

今回は「農家でも活用できるのか?」という点で着目しましたから、農家によるクラウドファンディング成功事例を2つ見ていきます。
クラウドファンディングは「何を成功とするか」も自分で設定しなければならないのが難しいところでもあり、挑戦しがいのある部分です。単にお金を集めたいだけなのか、その後の事業に役立てたいのか。その部分にも着目して、事例を見ていただければと思います。

・事例1
1つ目は「型崩れにより廃棄される野菜を加工品にするため」のプロジェクトです。
野菜全体の40%が型崩れ品であり、それが市場に出回ることなく廃棄される現状を打破するため、こだわりの肥料を使い野菜を育てる地元民が立ち上げたプロジェクトです。
目標金額は10万円でしたが、“農家ならではの苦悩”が支援者に伝わり、すぐに目標金額に達成。15万円に再設定した後、結局21万円以上の資金調達に成功しました。
「購入型」のプロジェクトであり、野菜の詰め合わせや加工品(漬物)セットが支援者に渡りました。

・事例2
2つ目は「八王子野菜を広めるため」に始まったプロジェクトです。
都内一の農産地・八王子で採れる野菜は、市場やスーパーを介して家庭に届きますが、“ブランド”としての魅力を伝えようと、このプロジェクトが始まりました。八王子の農家や飲食店、菓子店などの協力もあり、なんと119万円の資金調達に成功しています!
リターンとして、八王子野菜の詰め合わせや協賛企業である菓子店の商品券が支援者に届きました。

 

クラウドファンディングのメリットとデメリット

■メリット

・資金が調達できる
・目的が実現できる
・情報が拡散される

クラウドファンディングは資金調達だけでなく、目的の実現や事業機会の獲得につながります。また法人だけでなく、個人でも資金提供が可能なため、情報拡散の機会が広がります。

■デメリット

・100%成功するとは限らない
・支援額の変更ができない

クラウドファンディング は、プロジェクトを始めたからと言って100%成功するわけではありません。また資金が集まっても、その目的を継続できるとも限らないのです。
それから一度提示したプロジェクトを取り下げることはできないため、資金額の設定には十分な時間をかける必要があります。

 

農家の方がクラウドファンディングで成功するには?

魅力的なプレゼン、プロジェクトである必要があります。特に「個人のための資金調達」とは違い、「〇〇が欲しいので支援してください」だけでは成功につながりません。
なぜ〇〇が欲しいのか、資金が必要なのかをしっかり伝える必要があります。

また、支援者にとって魅力のあるリターンを考える必要があります。「寄付型」でない限りは、支援者が資金を提供するに見合うリターンを用意しなければなりません。

もちろん、ふるさと納税でも一時問題となった、豪華すぎる返礼品※も、資金調達の目的に見合わなくなるため注意が必要ですが、支援者にも満足いただけるリターンの設定は必要不可欠です。

※ふるさと納税で得た資金の大半が返礼品に回ってしまい、その自治体が本当に必要とする事業にお金が回らなくなったケースがあります。

なおはじめてクラウドファンディングを行う際には、成功事例を真似るのもおすすめです。もちろん内容から何から全て真似するのはNGですが、「多くの支援を集めるためのヒント」は成功事例に潜んでいます。

 

まとめ

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クラウドファンディングは商品やサービスの提供する前の「テスト・マーケティング」としても有効です。この資金調達方法を利用すれば、世間に広く認知してもらうこともできますが、資金が集まらない場合も考えておく必要があります。

クラウドファンディングに挑戦する際は、資金調達目的の背景や商品・サービスの追求、価格の見直しなど、十分に時間をかけて、プロジェクトを計画しましょう。

 

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