病害の特徴を学ぶ。農作物の病害を予防するために

病害の特徴を学ぶ。農作物の病害を予防するために

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農作物を育てる上で切っても切り離せない厄介な存在、それは病害虫です。虫や微生物によって農作物に害が与えられてしまうことは、農業従事者にとっては非常に厄介なことですが、虫や微生物の存在は自然界においてごく当たり前のことであり、存在そのものをなくすという方法は不可能です。

しかし虫や微生物の特徴を知ることで、彼らが苦手とする環境や成分を把握し、農作物のために予防や対策を練ることはできます。そこで今回は病害を予防するために、病害そのものの特徴について見ていきましょう。

病害を倒すために病害を知る

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例えば病害の特徴を知ることで、先回りして病害の発生を抑えることも可能です。

病害虫が発生した時、すぐに農薬や防虫剤を使用して殲滅させるのではなく、発生しやすい時期やそれらの生態などを勉強することでそれは叶います。例えば食害をもたらすアオムシは、その親であるモンシロチョウが飛来する時期に手を打ちます。彼らが苦手とする植物、ハッカやタイムを近くに植えたり、それらの成分を使った農薬を散布することで、まず卵を産みつけさせないという方法をとることができます。

病害を倒すためにまず病害を知ることで、化学農薬を過剰に利用する必要もなくなると考えています。そうすれば、食の安心安全志向が高まっている昨今、消費者の志向によりそった農作物を育てることにもつながるのではないでしょうか。

糸状菌による病気(うどんこ病、灰色カビ病、ベト病)

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代表的な病害として糸状菌(カビ)による病気があります。糸状菌といっても、全ての種類が農作物に害を与える訳ではありません。有用な糸状菌に関しては、米ぬかや木酢液を利用することで増やすこともでき、病害菌の異常繁殖を抑えることもできます。しかし有害な糸状菌によって農作物に影響が及ぶと、カビが植物自身に生えてしまったり、褐色の斑点模様や植物がしおれてしまうという問題が起きます。

名前を聞いたことがある人も少なくないと思いますが、うどんこ病は糸状菌による病気の代表例です。6~9月に発生しやすく、ウリ科、ナス科、マメ科、イチゴ、果樹類に発生しやすいのが特徴です。植物周辺の環境が乾燥すると発生しやすくなり、名前の通り、葉にうどん粉をまき散らしたような白いカビが生えます。乾燥すると発生するうえ、病気が広がりやすくなるため、予防として水を撒くことも効果的です。うどんこ病の原因である菌が棲みづらい環境にするために、重曹や木酢液、ニンニクや生姜を用いた防除剤も効果的です。胞子は午前中に飛ぶ特徴があるため、水や防除剤を散布する際には、朝10時までに防除しましょう。

灰色カビ病は5~7月に発生しやすい病気です。湿度を好む菌のため、梅雨の時期に多く見られ、夏野菜などに発生します。病気の特徴は灰褐色のカビです。カビが葉や花びら、果実を覆ってしまいます。湿気を好むため、対策としてはまず風通しを良くすることが必要になります。また咲き終わった花や枯れ葉は取り除くようにしましょう。防除剤を散布する際には、ニンニクやヒノキを用いたエキスが効果的です。

ベト病は春から秋にかけて大根やキュウリ、キャベツ、カボチャなどに発生しやすい病気です。肥料不足により発生しやすい病気で、葉脈にそって角形に斑紋ができるのが特徴です。葉の裏にもカビが生えます。風に乗って病気が広がるため、伝染スピードが速いのが厄介なところです。葉が濡れていても菌糸を伸ばし勢力を広げます。葉の裏から広がるため、防除剤を散布する際には葉の裏に念入りに吹きかけましょう。肥料が不足している畑や水はけの悪い畑で発生しやすいため、事前の土づくりは入念に行なうことが大切です。

細菌による病気

上記で紹介したのは糸状菌(カビ)ですが、細菌(バクテリア)も病害の原因となります。糸状菌とは違い、茎や根の傷口から増殖し、株全体を腐らせ枯らす性質があるため、発生を確認した場合には残念ですが株全てを処分する必要があります。はじめから病害菌に対して抵抗性のある品種を選び、畑の水はけを良くすることを心がけて育て始めましょう。

水はけのために高うねにすることも予防策として知られています。細菌は風にのって植物へ付着し、食害跡や傷口から侵入するため、まず食害や傷のつくような環境に農作物を追い込まないことを心がけましょう。人の体と同じで、弱っている株を狙って細菌はとりつき増殖していきます。細菌による病気で代表的なものは軟腐病と呼ばれ、腐った匂いがします。

ウイルスによる病気

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ウイルスは風ではなく病害虫の代表アブラムシやアザミウマが媒介し運んできます。代表的な病気にはモザイク病や黄化えそ病が挙げられます。虫が媒介しているため、虫の発生する春~秋にかけて発生しやすい病害です。特定の野菜ではなくほとんど全ての野菜に影響を及ぼし、かつ病気が発生した場合には株丸々処分することになります。そのため媒介する虫の防除に努めることが対策法と言えます。

例えばアブラムシには複数の特徴があります。黄色が好きだという特徴をふまえ、まず農業資材には黄色は使わず、アブラムシをわざわざ寄せ付けるような環境をつくらないことを心がけましょう。アブラムシのお尻から出る甘露を求めてアリがやってくるため、もし植物の近くにアリの行列を見つけた場合には、葉の裏側にアブラムシがいる可能性があります。肥料のあげすぎにも注意しましょう。アブラムシは窒素過多の作物に集中する特徴もあります。

コンパニオンプランツも活用しよう

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消費者側の不安を取り除くために農薬を控えたいという場合には、相性のいい野菜を一緒に植える方法を利用すると良いでしょう。病気や虫の被害を抑える効果だけでなく、野菜同士が生育を補ないあう場合もあります。

なすとパセリの場合、それぞれの病害虫を防ぐ役割の他、なすの根元にパセリを植えることで乾燥を防ぐことができます。ちなみにパセリにとっては日陰の環境が最適環境のため、WIN-WINの関係となります。ブロッコリーとレタスは、ブロッコリーにつくアオムシの親・モンシロチョウがレタスを嫌う性質があります。そのため食害を抑えることができるでしょう。

益虫を見つけたら駆除しないこと

また農薬利用によって病害虫を防除することはできますが、農業に活躍する益虫も殺してしまいます。そのため以下の益虫を見つけたら殺さないよう努めると良いでしょう。トンボは野菜につく害虫を食べる肉食昆虫であり、蚊やハエなども食べます。人にとって厄介な虫も防除してくれるので便利な昆虫です。テントウムシはアブラムシの天敵であり、1日平均30匹ものアブラムシを食べると言われています。カマキリはアオムシやバッタといった大型の害虫を食べてくれます。

病害の特徴を知り、先回りして対策する

病害の特徴を知ることで、先手を打って対策を行うことができます。特にウイルスなどは害虫による媒介が原因のため、そもそも害虫を寄せ付けないように工夫しておけば、そこまで不安視するほど害に直面する機会は少なくなるでしょう。先回りして対策することで、農作業もぐっとラクになるはずですよ。

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