「農業で稼ぎたい」と考えたことがある人なら、農業所得について気になったことがある人も多いのではないでしょうか。本記事では「お金持ち農家が多い市町村」とお金持ち農家の多い地域の事例、お金持ち農家になるためのポイントについてご紹介していきます。
全国市区町村お金持ちランキング
まず「農家」という職種に限らない「全国市区町村お金持ちランキング」をご紹介いたします。
＜全国市区町村お金持ちランキング＞
| 順位 | 市区町村 | 課税対象所得（納税義務者1人当たり・単位「円」） |
| 1 | 東京都 港区 |
9,017,500 |
| 2 | 東京都 千代田区 |
7,843,100 |
| 3 | 東京都 渋谷区 |
7,026,500 |
| 4 | 兵庫県 芦屋市 |
5,878,200 |
| 5 | 東京都 中央区 |
5,558,100 |
| 6 | 東京都 文京区 |
5,440,900 |
| 7 | 東京都 目黒区 |
5,367,800 |
| 8 | 東京都 世田谷区 |
5,058,000 |
| 9 | 東京都 武蔵野市 |
4,798,700 |
| 10 | 東京都 新宿区 |
4,772,500 |
イメージ通りと言いますか、都市部はやはりお金持ちが多いですね！
お金持ち農家が多い市区町村ランキング
都道府県別農業産出額ランキング
まずは、都道府県別の生産農業所得ランキングをご紹介します。
| 1 | 北海道 |
| 2 | 茨城 |
| 3 | 鹿児島 |
| 4 | 千葉 |
| 5 | 宮崎 |
| 6 | 熊本 |
| 7 | 青森 |
| 8 | 愛知 |
| 9 | 栃木 |
| 10 | 群馬 |
農地面積が広大な北海道が1位という結果になりました。
市町村別農業産出額ランキング
（単位：1000万円）
| 順位 | 市町村名（県名） | 平成28年 | 平成27年 | 平成26年 |
| 1 | 田原市（愛知） | 8,528 | 8,204 | 8,130 |
| 2 | 鉾田市（茨城） | 7,801 | 7,203 | 6,891 |
| 3 | 都城市（宮崎） | 7,538 | 7,197 | 7,022 |
| 4 | 新潟市（新潟） | 6,231 | 5,721 | 5,845 |
| 5 | 別海町（北海道） | 6,210 | 5,706 | 5,218 |
| 6 | 旭市（千葉） | 5,674 | 5,480 | 5,142 |
| 7 | 浜松市（静岡） | 5,329 | 5,104 | 4,839 |
| 8 | 熊本市（熊本） | 4,843 | 4,610 | 4,556 |
| 9 | 豊橋市（愛知） | 4,386 | 4,358 | 4,154 |
| 10 | 弘前市（青森） | 4,348 | 4,134 | 4,124 |
となっています。
農業産出額に占める生産農業所得の割合【％】
なお、＜農業産出額に占める生産農業所得の割合【％】＞でランキングを求めると以下のようになります。
| 1 | 滋賀 |
| 2 | 山梨 |
| 3 | 山形 |
| 4 | 佐賀 |
| 5 | 福島 |
| 6 | 青森 |
| 7 | 島根 |
| 8 | 山口 |
| 9 | 愛媛 |
| 10 | 北海道 |
地域別の平均年収
また＜地域別の平均年収＞についてランキング化すると、
| 1 | 北海道 | 787万円 |
| 2 | 東北 | 448万円 |
| 3 | 北陸 | 477万円 |
| 4 | 関東 | 496万円 |
| 5 | 東海 | 524万円 |
| 6 | 近畿 | 451万円 |
| 7 | 中国 | 438万円 |
| 8 | 四国 | 404万円 |
| 9 | 九州 | 446万円 |
となります。
生産品目等によっても順位は大きく変わるので、一概に「お金持ち農家」をランキング化することはできませんでした。しかし、広大な農地をもつ北海道が＜農業産出額＞＜平均年収＞ともに1位ということを考えると、北海道にはいわゆる「お金持ち農家」が多い印象を抱きます。
お金持ち農家が多い地域は？
「お金持ち農家」の明確な定義がないのでなんとも言えませんが、＜農業産出額＞＜平均年収＞ともに1位の北海道には「日本一外車保有率が高い」地域があると言います。
北海道・十勝平野に位置する更別村は、農業生産に熱心な地域として知られています。農地大規模化が進む地域であり「大規模農業のメッカ」とも呼ばれています。
更別村の1世帯当たりの保有農地は、平均して約43.5haです。2017年の農林水産省の調査によると、日本の農家の平均耕作面積は1世帯あたり2.41haなので、その広大さに驚きます。大規模農業を行う更別村の農家1戸当たりの平均収入は約5000万円です。もちろん経費などを差し引けば額は減りますが、それでも世帯所得が約1500万円というから驚きです。
お金持ち農家になる方法
ランキングや「お金持ち農家」の事例を見ると、「広大な土地で大規模農業をしなければお金持ち農家にはなれないのでは・・・？」と考える人もいるかもしれませんが、近年ではスマート農業などの導入により、農作物の生産効率を上げることで所得向上につなげようと考える農家さんも少なくありません。お金持ち農家になるために必要なポイントは、決して「広大な土地の有無」ではないのです。
お金持ち農家になるためのポイントとして抑えてほしいのが、品目の選定です。
- 作りやすさ
- 売りやすさ
- 単位面積あたりの売上額の高さ
- 初期投資が低額で始められる
- 機械化しやすい
これらのポイントを抑えた品目を選ぶことで、稼ぎやすい農業生産が期待できます。
「作りやすさ・売りやすさ」を例に考えてみましょう。昨今推進されている「農作物ブランド化」の流れから、付加価値の高い小規模生産品を高く売ろうと考えがちですが、まずは「作りやすさ・売りやすさ」を重視して品目を選ぶことをおすすめします。市場規模が大きければ、その分年間を通じた出荷が期待できます。この2点のポイントは、農業に参入したばかりの人に特におすすめです。
またいわゆる「お金持ち農家」の多い北海道は、農地面積を広くとることができますが、日本の農地は小規模のものがほとんどです。農地面積が決して広くない農家さんの場合には「単位面積あたりの売上額の高さ」を重視して品目を選ぶことで、売り上げを確保することが期待できます。品目別の経営指標は、農林水産省や自治体が統計データを公表しています。気になる人は早速チェックしてみましょう。
農業を行う上で、必要な機械や資材を用意しなければならないかと思いますが、中古品やジェネリック品を活用すれば、初期投資を低額に抑えることが可能です。「スマート農業」を導入し、人件費を削減することで農業所得を向上させるのも手です。
参考文献
