農家の副業?!ソーラーシェアリングで得られる大きな利点とは

農家の副業?!ソーラーシェアリングで得られる大きな利点とは

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農業従事者の高齢化問題や、高齢化に伴う耕作放棄地の増加、後継者不足など、日本の農業が抱えている問題は深刻化しています。
しかし今、生産だけでなく加工・製造、販売までをかけ合わせた農業の6次産業化が注目を集めていたり、農業従事者の労働力を削減すること、新規就農者が農業に取り組みやすくすることを利点としたICT技術を取り入れた新しい農業の形など、さまざまな取り組みがなされているのも事実です。

そんな中、今新たに注目を集めているのが「ソーラーシェアリング」という新しい農業経営モデル。農業を行なう傍ら、太陽光パネルを設置することでエネルギー産業にも着手し、複数の収入源をつくりだす、今までになかった農業の形です。自身の収益源になるだけでなく、東日本大震災以降注目を集めている再生可能エネルギーのひとつでもあり、地域の活性化にもつながるのでは?と年々注目度が高まっています。

 

注目を集めるソーラーシェアリング

現在農業は高齢化も進み、若い世代の新規参入も停滞しており、「経営したくても出来ない」「経営意欲がなくなってしまった」など様々な理由で農地を手放すことになった人も少なくありません。耕作放棄地が増え、農業人口だけでなく食料自給率も減少傾向にある昨今、このままでは日本の農業は危ういと言えます。

しかしそんな危うい現状を止めるべく登場したのがエネルギー兼業農家という新しい農家の形です。その代表的なものがソーラーシェアリング。太陽光パネルを耕作放棄地に設置する取り組みもありますが、今回紹介するのは「農業をやりつつ、エネルギーでも収入を得る」というやり方です。この方法は、太陽光パネルを農地や農業用倉庫などに設置することで、そのエネルギーを自分達の農作業に使う機械のために自給するも良し、売却するも良しなのです。

 

得られる大きな利点とは

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まず現在注目されている「再生可能エネルギー」としての利点と言えば、二酸化炭素の発生しないエネルギーであるということが挙げられます。それ以外では、

 ・収入の安定化につながる
 ・収入の安定化によって兼業から専業へ変わることもできる
 ・夏場の農作業がしやすくなる
 ・安定した収入源を示すことで若い世代の注目を集めることができる

などが挙げられます。実際に太陽光発電事業を行なっている農場へ見学へ行きましたが、そこには太陽光パネルを設置したことで生じる日陰を利用して、太陽光を嫌う農作物(シソや蕗など)を育てている農地や、太陽光パネルが屋根の片側に設置されているハウスなどがありました。

確かに日当り良好ではないほうが生育の良い農作物もありますから、太陽光パネルの場所を大きく取ったところで、育てられる農作物に制限がかかる訳ではありません。
またハウスに設置されたパネルには、太陽光パネル1つ1つの間にわずかなすき間があり、ハウスの中にも十分な太陽光が入るように設計されていました。工夫次第で、太陽光パネルのもつ物理的な欠点を十分に回避することができることを知りました。

 

デメリットと思うか、投資と思うか

ただしソーラーシェアリングに一切デメリットがない、ということはありません。例えばパネル規模にもよりますがある程度費用がかかりますし、発電システムのメンテナンスも必要になるでしょう。
見学した農業ではパネルの下の農地をトラクターが通れるような広さに設計されていましたが、パネルの下で農業を行なう際には、少々作業がしづらいと感じることもあるかもしれません。またまだまだ発展途上の試みですから、農業委員会への更新が3年ごとに必要になると言われています。
しかしデメリットを把握したうえで、農業もエネルギー事業もコントロールできるのであれば、投資して損のない案件だと考えています。

 

ソーラーシェアリングによる収益モデル

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東日本大震災により、首都圏に出店している農産物直売所が風評被害を受け、売上げが3分の2に落ち込んでしまったファームドゥ株式会社は、太陽光発電事業によって収益源を増やすことに成功しています。代表的なソーラーシェアリングのモデルであるファームドゥ。なぜなら、お米の収益高が1haで70~80万円しか得られない場所であっても、出力が500kWの太陽光発電を設置することで、エネルギー収入が2200万円得られるからです(推定値)。

現在JAでも耕作放棄地を活用するために、ソーラーシェアリングで利用される太陽光発電を始めとする再生可能エネルギーの活用が始まっています。エネルギー収入により継続的に収入が得られるようになれば、地域の耕作放棄地の有効活用につながるだけでなく、新たな収益源を農業事業者に伝えることにもつながると言えます。

農業の活性化にもつながる取り組みのため、「エネルギー兼業農家」の在り方は、個々の農園だけに限った話ではなくなっているのです。

農業業界だけに限らず、大手企業の副業解禁などもニュースで取り上げられる昨今、収益源を複数に増やすことはこれから当たり前のように浸透していくのかもしれません。今回紹介したソーラーシェアリングで言えば、放棄されていた土地を利用することもできれば、安定した収益を得ることで農業に専念できる人もいます。農作業がしたくても十分にできない人にとっては頼りになる収入源になりますし、様々な目的にメリットを与えてくれる取り組みと言えるでしょう。気になる方は、ソーラーシェアリングを取り入れている農場へ見学してみてはいかがでしょうか。
 

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