2019/11/13 レポート

【長野県】りんご・もも・ズッキーニでのウルトラファインバブル導入事例

投稿者:カクイチ

今回ご報告するのは、長野県中野市の農家M様の事例です。

長野県北部に位置する中野市の気候は、昼夜の気温差が大きく、一年を通して降水量が比較的少ないのが特徴。果樹栽培に適した環境で、M様の農園ではリンゴ、桃、ズッキーニ、アスパラなどを栽培しています。

ウルトラファインバブルを使用しているのは、リンゴとモモに対する防除、ズッキーニに対する液肥です。それぞれの作物に対し、下記のような効果に期待を寄せています。

【ウルトラファインバブルを防除に使用:リンゴ】

・徒長枝に無駄な養分を行き渡らせず、樹勢を調整
・玉の大きさのコントロール(16個入り=5kgが最適)
・徒長枝に入り込む綿虫への防除

【ウルトラファインバブルを液肥に使用:ズッキーニ】

・効率的な肥料吸収による肥料減
・うどんこ病対策に投入している納豆菌の活性化および効果向上
・株の成長促進、延命効果(現在7段→8段9段収穫を目指す)

【全体的な期待値】

秀品率アップ。現在のA品率よりそれぞれ5%アップを目指す。

(現在のA品率 → 目標値)
・リンゴ 30% → 35%
・モモ 50% → 55%
・ズッキーニ 70% → 75%

※秀品が増え、リンゴの贈答品率が5%上がれば売上が150,000円アップ(収量が30tの場合)。また、秋はズッキーニの単価が上がるため(M様の農園の場合 春:650円/箱、秋:700円以上/箱)、秋に向けて収量増加を狙う。

ウルトラファインバブル導入時の感想「展着率の向上を実感」

2019年の春作より、ウルトラファインバブルを使用した農薬および液肥を散布しました。

リンゴ、桃:農薬を3回、葉がしおれたら液肥(海藻ミネラル)を1回散布。
ズッキーニ:バチルス(納豆菌)1回、液肥(海藻ミネラル)を1回散布。

散布を終えたM様の感想は以下の通り。

・葉や枝から垂れる水滴の量が少なく、展着が良い。→収量アップ・秀品率アップが期待できる。
・6月から散布水量を上げるのが一般的(350ℓ/反→400ℓ/反)だが、ウルトラファインバブル散布なら水量を上げなくてもいいのではないかと感じる。
・スピードスプレーヤ(SS)での農薬散布時、従来の農薬よりウルトラファインバブル希釈水の方が霧状になり、作業着が濡れない。

展着率が上がった理由については、ウルトラファインバブルにより、タンク内の薬剤や展着剤が均一に分散したことが考えられます。それによって全体的な展着剤の効果が安定し、水滴が葉に留まりやすかったのではないかと仮説を立て、現在弊社で検証を進めています。

今回の春作では液肥と防除にウルトラファインバブルを使用しましたが、M様からは「秋作はこれらに加えて潅水にも使用する予定」と手ごたえを感じていただけたようです。ウルトラファインバブルの利用範囲を広げることで樹勢や収量に変化はあるのか、引き続き検証していきます。