リリース

「音」を新たなデータ領域へ。Interbeingと音声解析の事業連携を本格化

〜営業現場での「何を話したか」から「どう伝わったか」へ。声に含まれる非言語情報を、営業から会議・組織へ〜

カクイチは、音声解析による営業支援サービス「Polyphony Sales」を提供する株式会社Interbeing(本社:京都府京都市、代表取締役:大成弘子、以下「Interbeing」)との事業連携を本格化します。

カクイチでは、経験豊富な営業担当者が長年の現場経験で培ってきた感覚やノウハウを、次の世代へどう継承していくかを課題の一つと捉えています。営業力は短期間で身につくものではなく、優れた営業担当者が無意識に行っている気配りや間の取り方、伝え方などは、これまで十分に言語化・共有されてきませんでした。

こうした個人に蓄積された知見を、組織の知恵として残していく。そのためにカクイチが注目しているのが、これまで十分にデータ化されてこなかった「音」です。その具体的な対象の一つとして、人の「音声」をデータとして捉え、活用する取り組みを進めています。

カクイチは、1000億円企業を目指す中期構想の中で、AIやデータを活用した新たな事業・組織づくりを進めています。営業現場では、「何を話したか」という言葉の内容だけでなく、声の張り、間、抑揚、緊張感、安心感など、「どう伝わったか」が相手との関係性を大きく左右します。

これまで個人の感覚や経験に委ねられてきた「伝わり方」をデータとして捉え、営業担当者自身の成長と、お客様とのより良いコミュニケーションにつなげる。その実現に向け、カクイチはInterbeingとの事業連携を本格化しています。

なぜ、「音」に取り組むのか

生成AIの進化により、会話の文字起こしや要約、商談内容の分析は急速に進んでいます。
しかし、同じ言葉を使っていても、相手への伝わり方は同じではありません。

声の明るさや自信、相手が不安を感じている場面での安心感など、文字だけでは捉えきれない情報が声には含まれています。

カクイチでは、営業現場に蓄積されてきたこうした「感覚」や「経験」も、会社にとって重要な資産であると考えています。

個人の勘や経験をなくすのではなく、見える形にして、次の人に渡せる知恵に変えていく。
「音」のデータ化は、そのための新たな挑戦です。

営業現場で実証を開始

複数の営業担当者を対象に、実際の商談音声を使った検証を進めています。

商談時の音声を記録し、Interbeingの技術によって声に含まれる特徴を解析。営業担当者自身が感じた「お客様の反応」や「商談中に意識したこと」と解析結果を組み合わせ、振り返りを行っています。

解析結果と現場での実感を照らし合わせながら、どのようなコミュニケーションがお客様とのより良い関係や成果につながるのかを検証しています。

目指しているのは、「何を話したか」という言葉の分析だけではなく、そのときの声にどのような感情や変化が表れていたのかを捉え、これまで見えなかった「伝わり方」を可視化することです。

言葉の内容と、声に表れる感情の特徴を組み合わせることで、営業担当者個人に蓄積されてきた暗黙知を、組織で共有できる知恵へ変えていきます。

音声データを現場で活かす共同開発アプリ「Voice_i」

Interbeingの音声解析技術を日々の営業活動の中で活用するため、カクイチは共同開発アプリ「Voice_i」の開発を進めています。

「Voice_i」は、商談などの音声データを蓄積し、会話の内容と音声解析結果を一元的に確認できる仕組みです。現在は社内の営業現場で実証を行い、機能や運用の改善を重ねています。

今後は、Interbeingによる「声そのもの」の解析と、カクイチが蓄積する商談データを組み合わせ、「何を話し」「どう伝わったか」を一体で捉えることで、営業担当者の成長や組織のノウハウ共有につなげていきます。

まずは現場で徹底的に使い、実用性と効果を検証します。そのうえで、「Voice_i」の外販を目指し、他社の営業や組織コミュニケーションの改善にも活用できるサービスへ発展させていきます。

Interbeingとの資本・事業連携

カクイチは2026年7月、Interbeingが実施した第三者割当増資を引き受け、約5,000万円を出資しました。同月、両社は事業連携に関する基本合意書を締結しています。

今回の資本参加は、単なるスタートアップ投資を目的としたものではなく、カクイチの営業現場を実装の場とし、Interbeingの技術と当社の営業現場で蓄積されるデータ・知見を掛け合わせながら、実際に現場で使われ、成果につながる仕組みをともにつくることを目的としています。

両社は「技術を提供する側」「導入する側」という関係にとどまらず、実証を重ねながら、技術と仕組みをともに磨いていきます。

今回の取り組みは、まず営業領域からスタートします。

今後は対象となる営業担当者や拠点を段階的に広げ、商談フェーズや受注結果などのデータと音声解析結果を組み合わせながら、「どのようなコミュニケーションがお客様とのより良い関係や成果につながるのか」を検証していきます。

さらに将来的には、営業以外の場面への展開も検討しています。

たとえば会議であれば、議論が活発に行われているか。人材育成の場面であれば、上司と部下の対話は安心して行われているか。これまで感覚として捉えてきた「場の質」を、音声データから確認できる可能性があります。

音声データを継続的に蓄積することで、一時点の状態だけでなく、その変化を捉えることも可能になります。営業だけでなく、人と人が対話するさまざまな場面へ、音声解析の活用領域を広げていきます。

カクイチが目指しているのは、これまで見えなかったものを見えるようにし、現場の行動を変え、そこから新しい価値を生み出すこと。

「音」は、その新しいデータ領域の一つです。

Interbeingとともに「音」の可能性を社会実装し、カクイチ自身の変革だけでなく、新たな事業へとつなげていきます。

カクイチ 代表取締役社長 田中 離有 コメント

1000億円という目標は、今ある事業をそのまま大きくするだけでは届きません。これまで会社や現場に蓄積されてきた経験や感覚を、新しい価値に変えていく必要があります。

そこで私たちが注目したのが「」です。営業は、何を話すかだけでなく、どう伝えるかによって相手の受け取り方が変わります。しかし、その多くはこれまで営業担当者個人の感覚に任されてきました。

可能性は営業だけにとどまらないと考えています。人が集まり話をするさまざまな場面に、この技術を活用できるはずです。しかも、使い続けることで、その変化も見えてくる。だからこそ、まず自分たちが徹底的に使ってみたい。

社員がニコニコと働き、未来をワクワクしながら創造し、イキイキとした会社をつくる。私が目指しているのはそこです。カクイチの現場を実装の場として、Interbeingとともに「音」の可能性を広げていきます。