農業WEBマーケティングの基礎を学ぼう!商品が売れる仕組みとSNS等の効果的な使い方について。

農業WEBマーケティングの基礎を学ぼう!商品が売れる仕組みとSNS等の効果的な使い方について。

経営思想家ピーター・F・ドラッカーは「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」と言っています。さまざまな流通ルートが広まりつつある農業界においても、マーケティングの理想である「売り込むことなく物が売れる状態」を作ることができれば、販売機会や売り上げを増やすことにつながります。

そこで本記事では、現代の生活に馴染み深いものとなったWEBを中心に行われるマーケティング、WEBマーケティングの基礎についてまとめていきます。

なお本記事では、農作物を安く大量に作って販売する方法ではなく、消費者に直接、卸値ではない価格で販売する方法を前提にしています。

 

 

商品が売れる仕組みとは

農業WEBマーケティングの基礎を学ぼう!商品が売れる仕組みとSNS等の効果的な使い方について。|画像1

 

商品が売れる仕組みを考えるのに便利なのが「カスタマージャーニーマップ」です。カスタマージャーニーとは“顧客がある製品やサービスを知り、実際に購入するまでの過程(出典元:小学館 デジタル大辞泉)”のこと。消費者は商品に興味関心を持ち、購入するか否かを迷い、購入します。購入した商品に満足した場合には、リピーターになってくれる可能性もあります。カスタマージャーニーマップはそれを可視化したもので、消費者が購入に至るまでの流れを旅に例えています。

この流れに沿って最適な仕掛けを作ると、消費者が購入に至るまでの行動を導くことができます。購入までの流れに沿ったそれぞれの仕掛けを端的にまとめると、

購入するまでの流れ 最適な仕掛け
①興味関心をもつ ←宣伝告知で、消費者に認知してもらう
②詳しい情報が知りたくなる ←直接情報を案内する(ダイレクト通知)
③再度購入するか迷う ←アフターフォローを行う

WEBが台頭するまで、①の段階で行われていた仕掛けはチラシやビラ、②や③の仕掛けでははがきや手紙を送るなどの方法が行われていました。もちろん現代でも行われていますが、WEBマーケティングはこれらの方法をWEB上で行います。宣伝告知にはSNSやブログを活用し、②はLINEやメルマガを活用します。

 

 

SNSやブログ、メルマガを活用する際の注意点

農業WEBマーケティングの基礎を学ぼう!商品が売れる仕組みとSNS等の効果的な使い方について。|画像2

 

①の仕掛けに”宣伝告知で、消費者に認知してもらう”と紹介しましたが、ツールによっては積極的な宣伝や売り込みは逆効果になるので注意が必要です。先でSNSやブログ、LINEやメルマガなどのツールを紹介しましたが、それぞれに適した役割があります。

例えばSNSの場合。

SNSはスマートフォンなどを用いて誰もが気軽にインターネットにアクセスできる時代に、世界中の人とつながることができるツールです。そのため、より多くの人に商品を知ってもらいたいときに役立ちます。また消費者と近い距離でつながることができるので、直接的なやりとりができます。

ただし、商品の内容を伝えるだけのような宣伝や売り込みには不向き。もちろん、商品の内容やどのようなサービスを行なっているかを一切発信してはいけない、というわけではありませんが、どちらかというと農業を行なっているあなた自身の人柄が伝わるような内容で発信するのが効果的です。どのように野菜を栽培しているか、こだわりは何か、また肩肘張らずに自分自身の日常や趣味について呟いてみるなどして、消費者とのつながりを生むツールとして活用するのがおすすめです。

代表的なSNSにはTwitterやInstagram、Facebookなどが挙げられますが、それぞれ異なる特徴とユーザー層が見受けられます。

代表的なSNS SNSの特徴 ユーザー層
Twitter ・投稿できる文字数は140字

・シェア機能で情報が拡散しやすい

・新しい情報をキャッチしやすい

10〜20代の若年層に人気がある
Instagram ・写真や画像で視覚的に情報を伝えられる

・シェア機能は少なく、拡散はしにくい

30代のユーザーが増えつつある
Facebook ・テキストベースの投稿が多い

・ターゲットを絞り込みやすい広告機能が強み

40〜50代

これらのSNSに実際に触れてみると、特徴やユーザー層の違いがありありと感じられます。またマーケティングでは、顧客を絞り込む「ペルソナ」の設定が重要とされています。ペルソナは架空のユーザー像を指す言葉ですが、どのような人に売り込むたいかを絞ることができれば、その相手に適したSNSが自然と定まるはずです。

SNSにできないことができるのがブログです。SNSは新しい情報を拡散するのには向いていますが、過去に発信した情報を遡るのには向いていません。ブログなら、記事を蓄積することができ、また記事数が増えていくと検索キーワードに引っかかりやすくなるので、情報を検索して探す消費者とのつながりが期待できます。

LINEやメルマガは、すでに商品に興味関心があり「もっと知りたい」と考えている人、いうなれば、ファンになってくれそうな人や、すでにファンになっている人の心を掴み続けるのに最適なツールです。

なおアフターフォローには、お礼メールを送るほか、WEBが台頭する前のように手紙やはがきを活用してもよいでしょう(消費者側から不要とあった場合は別ですが)。2021年5月13日にテレビ番組『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)で産地直送ネット通販サイト『食べチョク』が紹介されていましたが、そこでは消費者に商品を送る際、商品を送る段ボールに手書きでメッセージを残すアイデアが紹介されていました。販売する側からすれば「ちょっとしたこと」に思えるかもしれませんが、このちょっとした仕掛けが、リピーターになってもらうきっかけになったりするのです。

 

参考文献

  1. マーケティングの理想は販売を不要にすることである|実践するドラッカー【事業編】|ダイヤモンド・オンライン
  2. Web(ウェブ)マーケティングとは?今さら聞けない基礎知識や代表的な手法を徹底解説|ferret
  3. アグリジャーナル (フリーマガジン)2021-04-15 発売号 (Vol.19)
  4. 5分でわかるソーシャルメディアマーケティング|SNSマーケティングの情報ならガイアックス ソーシャルメディアラボ
  5. SNSペルソナの理解と活用でブランドのエンゲージメントを高めよう!具体的な手順も解説 – SeleQt【セレキュト】
  6. 【最新版】2021年4月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ
  7. Facebook・Twitter・Instagramの違いと使い分け方まとめ!特徴からユーザー動向・運用方法まで徹底解説
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