今更聞けない有機質肥料「油かす」。その特徴や使い方のポイントを紹介!

今更聞けない有機質肥料「油かす」。その特徴や使い方のポイントを紹介!

古くから利用されている有機質由来の肥料「油かす」についてご紹介していきます。

 

 

油かすとは

今更聞けない有機質肥料「油かす」。その特徴や使い方のポイントを紹介!|画像1

 

有機質由来の肥料として用いられる油かすは、菜種や大豆などから油を絞った残りかすを指します。

油かすの特徴

同じく有機質由来の肥料として活用される「米ぬか」より窒素分が多く、リン酸が少なめなのが特徴です。油かすの窒素含有率は5%前後と高く、リン酸やカリウムは1〜2%含まれます。

成分量(%)の目安は

  • 窒素 5.3
  • リン酸 2.0
  • カリウム 1.0
  • カルシウム 0.9
  • マグネシウム 0.3

ですが、肥料成分の割合は原料(菜種や大豆など)によって若干異なります。

たとえば髙橋久光『有機質肥料の機能性』(東京農業大学リポジトリ、2016年)によると、菜種油かすの場合は窒素 6.4%、リン酸 5.4%、カリウム 3.4%、ダイズ油かすは窒素 7%、リン酸 1.5%、カリウム 1.5%、ラッカセイ油かすは窒素 6.5%、リン酸 1%、カリウム 1%、綿実油かすは窒素 6%、リン酸 2%、カリウム 1%の肥料成分が含まれる、とあり、原料による肥料成分の割合の違いが見てとれます。

肥効は穏やかで、油かすの油脂含有量が高いほど土壌中での分解が遅くなる傾向にあります。上記4つの原料の中で最も肥効が速やかなのは、窒素の無機化速度の速いラッカセイです。

 

 

油かすの使う際の注意点

今更聞けない有機質肥料「油かす」。その特徴や使い方のポイントを紹介!|画像2

 

油かすを用いる際、水はけが悪い土壌での全層施用(畝全体に施す方法)や層状施用(畝の深いところに層状に施す方法)を行うと、土中が嫌気発酵に傾き、野菜の根に悪影響を及ぼす可能性が高まるので、空気の量が多い表層施用(表層に施す方法)がおすすめです。

地温が低い時期は微生物の活性が悪くなり、窒素もリン酸も効きにくくなるので、そのような時期には油かすなど有機質肥料を直接施すのではなく、ぼかし肥料(油かすなどの有機質肥料を主原料とし、微生物による有機質の分解を施して製造した肥料)を利用すると効果的です。

菜種油かすには発芽を抑制する有害物質が含まれるため、施肥は播種および移植の2週間前に行う必要があります。

ダイズ油かすは、含まれる成分の特徴から多量の施肥を避ける必要があります。ダイズ油かすに含まれる窒素はタンパク質で、アンモニア態窒素への分解は他の植物性油かすに比べて早いです。リン酸は有機態リン酸で含まれており、カリウムは水溶性のものが多いです。このような特徴から施肥直後はアンモニアや有機酸の発生による生育阻害が生じる場合があります。生育阻害を生じさせないためにも、多量の施肥は避けましょう。

先でも紹介しましたが、油かすはリン酸が少なめです。不足するリン酸やカリウムは他の資材で不足分を補う必要が生じます。

リン酸は開花・結実の促進や根の伸長、発芽や花芽のつきをよくする効果があります。そのため、実を収穫する野菜などを栽培する場合には、リン酸を多く含む資材と併せて利用しましょう。リン酸を多く含む資材には骨粉やグアノが挙げられます。

骨粉は

屠殺場や缶詰工場から出る肉片、内臓、骨などを煮沸や蒸気処理により脂肪、蛋白質等を除き圧搾・乾燥・粉砕したもの

引用元:動物質肥料-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA

で、グアノは

海鳥やコウモリの排泄物に由来する窒素やリン酸に富んだ肥料

引用元:動物質肥料-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA

です。

農作物によって比率は異なりますが、イチゴの栽培では、甘い実をつけるため、油かすと骨粉を1対1で混ぜてすき込む方法が挙げられます。

 

参考文献

  1. 『野菜だより 2019年3月春号』(学研プラス、2019年)
  2. 髙橋久光『有機質肥料の機能性』(東京農業大学リポジトリ、2016年)
  3. ナタネ油かすを用いた窒素施用方法
  4. 新有機質肥料講座
  5. リン酸(P)|住友化学園芸
  6. 動物質肥料-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA
  7. ぼかし肥-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA

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