落ち葉の活用術。落ち葉で作る腐葉土・堆肥

落ち葉の活用術。落ち葉で作る腐葉土・堆肥

土づくりにおいて、堆肥や米ぬか、枯草や稲わらといった有機物を混ぜ込むことは地力の維持や回復に役立ちます。土に混ぜ込まれた有機物は土壌微生物の活性化や団粒構造の形成につながります。そんな土壌の保水性・透水性・保肥力の向上に役立つ有機物の中で、毎年まとまった量を確保しやすいものに「落ち葉」があげられます。

 

 

落ち葉で作る腐葉土・堆肥

落ち葉の活用術。落ち葉で作る腐葉土・堆肥|画像1

 

落ち葉の腐葉土・堆肥化は、広葉樹の落ち葉を主体に、米ぬかや油かすなどを補助的に加えて発酵・腐熟させて作ります。北海道北見市が公開する腐葉土の作り方によると、通気孔を開けた容器などを用いて、土、落ち葉、米ぬかや油かすを重ねて踏み込み、水分を加える、この行程を繰り返しています。

単に落ち葉だけを積むのではなく、分解が進むための条件を整えるのが基本です。落ち葉の分解には菌類の働きが大きく関わってきます。たとえば、容器に通気孔を開けるのは、代謝に酸素を利用する菌を活性化させるためです。米ぬかなどを加える理由は、炭素分が多い落ち葉だけでは分解が進みにくいので、窒素分を含む資材(米ぬかなど)を加えて微生物の働きをよくするためです。

また、上記では腐葉土・堆肥を作るためにポリバケツなどの容器を利用していますが、ある程度の量を作る場合には、ベニヤ板などで囲いを作り、枠を設置します。この際、排水がよく、通気を確保しやすい場所に設置してください。

容器の場合も、枠内で作る場合も、水分量に注意します。乾燥しすぎるのも湿度が高すぎるのも好ましくありません。乾いているようであれば水をかけ、雨が当たりすぎる場合にはシートなどで覆います。

腐葉土の完成の目安は、葉の形が崩れ、握るとほぐれやすく、見た目もにおいも土に近くなっていること。1ヶ月に1回程度切り返し、約1年ほどで完成します。

腐葉土と堆肥の違い

ここで、気になるのが腐葉土と堆肥の違いです。

なお、原料を落ち葉に限定しない場合、腐葉土と堆肥の違いはこのように説明できます。

  • 腐葉土:土をふかふかにし、物理性(通気性・保水性)を改善する資材で、主に落ち葉が原料となる。
  • 堆肥:土に栄養を与え、育ちを良くする肥料で、その原料には家畜の糞や生ゴミなどを含むことがある。

腐葉土は、落ち葉が分解されて土に近い状態になったものです。培土や土壌をやわらかく保ち、根張りしやすい状態をつくる資材として捉えることができます。

一方の堆肥は、「稲わらや落ち葉、家畜ふん尿、食品残渣などの有機物を、微生物の力を使って分解させ、成分的に安定化するまで腐熟させたもの」(引用元:そもそも堆肥とは何か? – 共和化工株式会社)。なお、堆肥を施用する際は、土壌の物理性をよくしたいのか、土壌に肥料成分を与えたいのかによって、使用目的に応じた堆肥を、肥料成分や土壌改良効果などを基準として選ぶ必要があります。

育苗培土への利用

農文協編『現代農業2026年4月号』(農文協、2026年)の事例では、腐葉土を赤土や土と組み合わせて育苗培土に使うことで、土が硬くなりにくい、根張りがよくなるといった効果が挙げられています。苗づくりでは、培土が重すぎる、乾きやすい、逆に水が抜けない、といった小さな差が苗質に影響します。腐葉土は、そうした培土の物理性を調整する資材として使いやすいといえます。

落ち葉をそのまま活用

落ち葉の活用術。落ち葉で作る腐葉土・堆肥|画像2

 

落ち葉は、腐葉土や堆肥として完熟させてから使うだけでなく、うね間に敷いて活用する方法もあります。『現代農業2026年4月号』の事例では、施肥後に黒マルチを張り、そのうね間に厚めに落ち葉を敷くことで、雑草が抑制されて定植がしやすく、また夏場の地温上昇の緩和にもなることが記されています。さらに、うね間に敷いた落ち葉は時間の経過とともに分解して有機物として土に戻っていくため、土壌改良も兼ねています。

春先の作業が重なる時期にうね間の除草の手間を少しでも減らしたい場合には、有効な選択肢になりえます。落ち葉をそのまま資材として活かすため、比較的導入しやすいのではないでしょうか。

 

参考文献:農文協編『現代農業2026年4月号』(農文協、2026年)

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