農薬を使いたくない時に有効な「草木灰」とは

農薬を使いたくない時に有効な「草木灰」とは

農薬を使いたくない時に有効な害虫防除策の一つとして「草木灰」の利用があげられます。

 

 

草木灰とは

農薬を使いたくない時に有効な「草木灰」とは|画像1

 

そもそも草木灰(そうもくばい)とは、植物(草、木、わら、もみ殻)を燃やした後に残る灰である有機質肥料・土壌改良材を指します。農業資材として古くから使われてきました。

草木灰はカリウムやカルシウム、微量要素を豊富に含みます。特に、根の成長を助け、果実の味や品質を向上させるカリウムを多く含むため、土壌中のカリウムの補給に利用されます。またアルカリ性のため、酸性に傾いた土壌の矯正にも利用されます。

そして、草木灰は害虫や病気の予防にも利用されています。

 

 

草木灰を使った害虫防除のポイント

農薬を使いたくない時に有効な「草木灰」とは|画像2

 

一般的に草木灰には、葉面に散布することでアブラムシやヨトウムシなどの害虫を寄せ付けない忌避効果や、疫病・立枯病などへの殺菌効果があります。

虫は草木の燃えた匂いを嫌がります。そこで、乾燥した草木灰を株元や葉に直接散布したり、水に溶かしてスプレーすることで、害虫の付着や飛来を防ぐことができます。

ただし、大量に散布してしまうと土壌がアルカリ性に傾き過ぎてしまいますから、適量を心がけてください。

農文協編『現代農業 2026年4月号』(農文協、2026年)には、サクランボのカメムシ害対策として薪風呂を沸かして出た灰を活用しています。目の細かいネットに灰を入れて、樹上で揺らし、樹全体に散布したところ、カメムシが来なくなったとあります。

 

 

草木灰活用の注意点

農薬を使いたくない時に有効な「草木灰」とは|画像3

 

草木灰は有機質肥料・土壌改良材の中でも速効性があり、農薬の代替として魅力的だといえます。

ただし、草木灰を自作する場合、例外を除き、原則として「野焼き」が法令により禁止されている点に注意が必要です。法令とは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)および他の条例を指します。例外には「農業、林業又は漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却」があります。すなわち、稲わらやもみ殻などの農作業で生じた廃棄物の焼却は想定されているため、それらを用いた草木灰作りは認められます。

とはいえ、野焼きは原則として禁止されていること、各位自治体ごとに決まりがあることをふまえ、まずは自治体に問い合わせを行ってください。

自作できる場合には、安全かつ周囲の迷惑とならないよう十分に注意をして作業を行います。主な注意事項は以下の通りです。

  • 住宅地や他者、家畜等に害が出る場所、迷惑になる場所では作業を行わない
  • 乾燥注意報が出ている時、強風などの影響が予想される場合は作業を行わない
  • 作業可能な場合には、周囲に燃え広がらないよう防火線を引く
  • 万が一に備え、消火用の水を準備する
  • 燃やしている最中は、その場を離れず様子を確認する

なお、有機物肥料や土壌改良材として用いる場合には、草木灰の施用量を調整する必要があります。過剰に施用すると、土壌のバランスが崩れる可能性があるからです。また、草木灰は窒素成分をほとんど含んでいません。そのため、土壌の状態によっては米ぬかや油かすといった他の有機質肥料と併用する必要があります。加えて、一部の草木灰には塩分が含まれることがあるため、塩害が起こる可能性には注意が必要です。

 

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