「畝」の基本に立ち返る。育てる野菜や土質に合った畝の高さや形状について

「畝」の基本に立ち返る。育てる野菜や土質に合った畝の高さや形状について

「畝」は“作物を植えつけたり種をまいたりするため、畑の土を幾筋も平行に盛り上げた所(出典元:小学館 デジタル大辞泉)”です。畝をつくるメリットには、土の水はけと通気性の向上と、それにより野菜の根の張りがよくなり、野菜の生育が促されることが挙げられます。

本記事では畝の基本に立ち返り、育てる野菜や土質に合った畝の高さや形状についてご紹介していきます。

 

 

畝がもたらすメリット

「畝」の基本に立ち返る。育てる野菜や土質に合った畝の高さや形状について|画像1

 

畝には

  • 水はけと通気性の向上
  • 根を張るスペースの確保
  • 地温上昇

といった効果が挙げられます。

畝をつくることで、作土層が浅い畑であっても土を盛った分、作土層が厚くなります。畝によって野菜の根が張るスペースを確保できますし、根菜類の肥大調整ができる効果もあります。

畝に日光がよく当たることで地温が上がります。地温の上昇は、植物の生育を促したり、土壌微生物が活性化して有機物の分解が進んだりと、野菜の生育に関わる変化に影響を与えます。

 

 

畝の一般的な形状、高さ、幅

「畝」の基本に立ち返る。育てる野菜や土質に合った畝の高さや形状について|画像2

 

一般的な畝の形状は以下の通りです。

形状

高さ

特徴

高畝 かまぼこ型 32〜38cm 65〜80cm 土を高く上げるため、水はけ・通気性に優れる。土量が多く必要になる。
小畝 かまぼこ型 20〜32cm 40〜60cm 高畝よりも若干小さい。
平高畝 台形 15〜30cm 70〜120cm 表面積が広く、排水性が良い。根の発育に適した形状。
平畝 台形 5〜20cm 60〜125cm 表面積が広い。野菜全般に用いられる。

参考元:技術ガイド – 株式会社アグリアタッチ研究所

最適な形状や高さ、幅は野菜によって異なります。

また土質の影響も受けます。

圃場の水はけの良し悪しに影響する粘土の量によって、最適な畝の高さが変わります。

圃場の土質

特徴

最適な畝の高さ

砂質

砂が多く、粘土が少ない。

ザラついている。

水はけがよく、乾きやすい。

10cm以下。

もしくは、土を盛らずに育てる。
(乾燥害を防ぐため、低めにつくる)

壌土

砂と粘土の量が程々。

水はけがよく、保水性もある。

10cm程度。

粘土質

砂が少なく、粘土が多い。

隙間が少なく、水はけと通気性は悪い。

高めに作る。

(湿害を防ぐため、高めにつくる)

土質だけでなく、野菜の特徴にも目を向ける必要があります。サトイモなどの野菜は水を好むので、低めにつくることをおすすめします。一方で、根を深く伸ばす野菜には高めの畝をつくり、作土層を増やすことで生育を促進します。

野菜別の具体例

トマトの場合、トマトは水はけのいい砂質の畑を好みます。

砂質の土壌であれば、高さ10cm程度の低めの畝を、粘土質の土壌であれば高さ20cm程度の高めの畝をつくり、水はけのよい環境を用意します。

サツマイモは砂質の畑を好みます。乾燥した低栄養の土地でもよく育つので、水はけをよくすることが重要です。砂質や壌土の場合は15〜20cm程度の高さで、粘土質の土壌の場合は20cm以上の高さで、かまぼこ型の高畝をつくります。水はけをよくするために、ゴロゴロ、コロコロとした、隙間のある土に耕しておくのがポイントです。

ナスの場合、ナスは水はけがよく、保水性もある壌土の畑を好みます。また根を深く張る野菜なので、土壌の条件と根の張り方を考慮すると、高めの畝が適しています。

砂質や壌土の畑では高さ20cm程度の畝を、粘土質の畑では20cm以上の高畝をつくりましょう。

ナス同様、水はけがよく、保水性もある壌土の畑を好む野菜にキュウリが挙げられますが、キュウリはナスと違い、根を広く浅く伸ばします。そのためキュウリには、少し高め(10〜15cm程度)の台形の畝が適しています。

農業のポータルサイト「みんなの農業広場」では、畝を成形するための手順が紹介されています。

露地野菜における高畝成形について|機械編

熊本県八代版 高うね成型マニュアル

これらの資料は、水田で野菜を栽培する場合を前提とした解説ではありますが、まず圃場に穴を掘って作土層の深さを確認するなどの事前準備は、圃場の状態を知る上で重要な行程ですので、参考になるかと思います。

 

参考文献

  1. 『野菜だより 2019年3月春号』(学研プラス、2019年)
  2. 地温上昇効果-ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA
  3. 技術ガイド – 株式会社アグリアタッチ研究所

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