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水田に発生する雑草の主な種類について

水田に発生する雑草の主な種類について

水田除草剤まいたのに雑草が残ってしまった…もしかしてその雑草はSU系除草剤抵抗性雑草、または地下茎を持つ難防除雑草かもしれません。除草効果を高めるには、除草剤の選び方や適切な使用方法が重要です。雑草の種類や薬剤の使い方について見てみましょう。

■除草剤が効かない時のチェックポイント

水田に発生する雑草の主な種類について画像4

(1)水管理
落水口や漏水個所はないですか?薬剤散布は水深 3-5 ㎝で止め水にして行い、散布後(特に7日間)は、田面を露出させないよう湛水を保ち、落水やかけ流しをしません。

(2)除草剤の種類
毎年同じ一発処理剤を使い続けていませんか?スルホニルウレア系(SU系)除草剤が効かないSU抵抗性固体の可能性も考えられます。また使用した除草剤に対象の雑草に有効な成分が入っているか確認してみましょう。

(3)対象雑草の生態に合わせた防除
雑草の特徴にあった除草処理をしていますか?雑草の生育段階(薬剤に〇〇葉期までと記載あり)を過ぎると薬剤の効果が薄れます。また、初期剤で抑えた場合でも、薬剤の効果が切れるころに、再度発生するものもあります。初期+中期+後期の体系処理を計画しましょう。

 

 

■1水田雑草について

水田に発生する雑草の主な種類について画像1

水田に発生する雑草のうち一年生雑草は種子によって繁殖するため、発芽は土壌表面付近と限られており、初期の除草剤で防除しやすい雑草です。ただ種子は土壌中で長期にわたって生存しているため、種が残っている限り何年にも渡って発生は続きます。イヌビエ、タマガヤツリ、コナギ、ミズアオイ、アゼナ、アメリカアゼナ、アゼトウガラシ、ミゾハコベ、キカシグサ、イボクサなど

多年生雑草は種子と共に地下茎・塊茎による繁殖があります。真夏や冬に地上部が枯れても土壌中に地下茎や塊茎を残しているため年間を通して生きています。発生初期から生育旺盛で地上部が大きくなると同時に分株によってさらに増えます。地下茎や塊茎からの出芽は数ヶ月続くため初期の除草剤だけでは除草することが困難です。イヌホタルイ、オモダカ、ウリカワ、クログアイ、マツバイ、ミズガヤツリ、シズイ、コウキヤガラなど

 

 

■2難防除雑草の生態と除草ポイント

水田に発生する雑草の主な種類について画像2

・イヌホタルイ
塊茎、地下茎よりも主に種子により繁殖。発生初期が小さいため見逃しやすい。種子の生存年数が長く種子が残っていると何年にも渡って発生する。ホタルイに有効な成分を含む一発処理剤を選ぶ。

・オモダカ
塊茎による繁殖し、地下の繁殖器官は深さ20cmでも出芽可能。発生期間が長く、初中期一発剤が切れた頃に、再び芽を出す。塊茎は一個の頂芽があり、出芽した株は分株しないので初期剤+中期剤(または後期剤)を組み合わせて防除するとかなり株数を減少できる。多発水田では、収穫後に耕起を行うと翌年の発生量を少なくするのに効果的。

・ウリカワ
塊茎による繁殖。深さ5cm以内で出芽し、塊茎先端に複数の芽を持つ。3~5葉期から白色の細い根茎を伸ばして多数の分株を作り密生する。塊茎の寿命は1~2年。一発処理剤で除草可能だが、SU抵抗性のものが見つかっている。同じ除草剤の連用は避ける。

・クログワイ
塊茎による繁殖。30センチを超える深さにも塊茎をつくり、一つの塊茎に数個の芽を持つため、地上に萌芽した芽が除草剤で枯れても順次ほかの芽が萌芽して生育する。初中期一発処理剤で防除した後、次の芽が出るころに中期剤の使用が効果的。発生が少ない場合は、収穫後なるべく早く耕起すれば塊茎形成を妨げる。塊茎の寿命は5年程度あるため、多くの株が残っている場合は、収穫後早めに非選択性除草剤(ラウンドアップ)を茎葉散布し、地下の塊茎を駆除する。

・ミズガヤツリ
塊茎、地下茎と共に種子による繁殖も多い。塊茎は酸素が少ないと出芽できないので、よく代かきして土壌中に埋め込んでしまうことで発生数が少なくなる。一発処理剤で取りこぼした場合には中期剤や後期剤で処理する。

・マツバイ
根茎で増える。初中期一発処理剤で防除できるが、残った場合には中期剤や後期剤で処理する。
秋耕などの土壌の乾燥によって越冬芽の死滅を促す。

・シズイ
長径1cmほどの偏球形の塊茎地表下5cm以内の萌芽がほとんどだが、20cmの土中からも可能であり、このため萌芽期間が長期に及ぶ。土中に横走する根茎で多数の分株を生じて群生し、初めの1個体から50~2000個の塊茎が作られる。SU系一発処理剤で防除できるが生育段階によっては効果が薄れるため、残った場合には中期剤や後期剤を処理する。

・コウキヤガラ
塊茎による繁殖。塊茎は、2~4個の芽を持つので一度出芽が阻害されても再び出芽する。初期剤+中期剤(後期剤)を組み合わせで塊茎形成が阻害されかなり防除できる。秋には地上部が枯れている地域が多く、収穫後の処理は難しい。出芽時期が早くいため、春の耕起や代かき前に出芽し地上部が大きくなるような地域では、非選択性除草剤を茎葉に散布すると効果的。

 

 

■3水田除草剤について

水田に発生する雑草の主な種類について画像3

水田用除草剤には、初期剤、初期一発処理剤、初中期一発剤、中期剤、後期剤があります。多くの除草剤は発芽時に作用し、生育が進むにつれて効果が薄れるため適期を逃さないように使用しましょう。また、イネと雑草の生理的な違いを利用した除草剤の場合は、駆除したい雑草に効果がある有効成分が入ったものを選びます。

・一発処理剤【一発処理剤=SU系+ヒエへの成分(+多年草への成分)】
現在の水田除草は一発処理剤が主流で、多くは一年生雑草(特にヒエ)に効果の高い成分とホタルイなど多年生の雑草に効果の高い成分が混合されています。
[メリット]
SU剤は残効が長いため1回の散布により除草効果が続く。
[デメリット]
コナギ、アゼナ、ホタルイなどSU抵抗性固体が出てきている。多年草は一発処理剤だけで除草しきれない。

SU抵抗性雑草と思われる場合の対処法:SU剤の他に対象雑草に効果のある成分が含まれている一発処理剤や非SU系一発処理剤も市販されています。農協等へ相談し適切な除草剤を選定する必要があります。除草しきれず残った雑草は、中期・後期除草剤を用いた体系処理が有効です。

・体系処理【初期剤+中期剤+(必要あれば)後期剤】
薬剤の種類が豊富なため、除草したい雑草の種類や生育時期に対して有効な薬剤かを使用説明書で確認してから選びます。初期剤の残効が切れ多年草が再度芽を出した時や、一発処理剤で除草しきれず生育した雑草には中期剤を使います。 例えばベンダゾンを含むバサグラン液剤は、散布適期に幅があるので生育期になった雑草を除草できます。※除草剤使用の際は薬剤の適用雑草と使用方法を必ず確認してください。

 

■まとめ:水田雑草防除のポイント

・薬剤散布後は水管理に気を付ける。
・雑草の種類、生態、発生状況に適応した薬剤を選択する。
・除草剤の散布タイミングや薬剤成分の特徴を理解しておく。
・難防除雑草には収穫前後にも徹底した除草が必要。

 

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