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農業用ビニールの廃棄手順、気になる処分費用について。回収費はどのくらいかかる?

農業用ビニールの廃棄手順、気になる処分費用について。回収費はどのくらいかかる?

昨今、環境に配慮した「循環型農業」など、持続可能性を意識した取り組みへの関心が高まっています。そんな中、よく話題にあがるのが「海洋プラスチック問題」。陸から海へと流出した多くのプラスチックごみによる地球規模の環境汚染が懸念されています。

農業分野においても、プラスチックは必要不可欠です。農業分野で使われるプラスチックには、パイプハウスやトンネルなどの被覆資材、マルチ、育苗ポットなどが挙げられます。馴染みのある生産資材が多い分、プラスチック問題を無視するわけにはいきません。

そこで本記事では、農業用ビニールの廃棄手順、処分費用などについてまとめます。

 

 

農業用ビニールの廃棄手順

農業用ビニールの廃棄手順、気になる処分費用について。回収費はどのくらいかかる?|画像1

 

まず、使い終えた農業用ビニールはすべて「産業廃棄物」となります。

法律により、

事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

引用元:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第三条(事業者の責務)

と定められ、不法投棄や不法焼却は禁じられています。

産業廃棄物の処理は、各地域ごとに定められたルールにしたがって行いましょう。または、使用済み農業用ビニールのリサイクルに取り組む団体や企業がありますから、そちらに問い合せてみましょう。

本記事では、千葉市と土浦市が公表している処分方法を参考に、大まかな流れを紹介していきます。

回収までの流れ

産業廃棄物の処理には、農業従事者と処理業者との直接契約が必要になります。

千葉市は、市内の使用済み農業用ビニールを回収、処理を「千葉市農業用廃プラスチック対策協議会」が担っています。農業用ビニールを処分したい場合にはまず、協議会への加入手続きを行います。その後、事前電話予約をし、処分を依頼します。千葉市では週3回搬入が行われています(2019年8月2日時点)。

土浦市では、「土浦市農業用廃プラスチック適正処理推進協議会」に登録料を支払い、契約を結びます。こちらも回収を依頼する場合には、事前予約が必要です。土浦市の使用済み農業用ビニールの回収は年2回です(2019年10月7日時点)。

  1. 処理業者との契約手続き
  2. 回収の事前予約
  3. 予約した日時に搬入

それから、どの地域でもそうですが、種類ごとに分別、梱包を行い、付着した土や作物くず、ビニール以外のもの(留め金などの金属、木片など)は必ず取り払いましょう

梱包方法

塩化ビニル素材(ハウスやトンネルに利用した被覆フィルム)は、土などを除去し、水洗いをした後、つづら折りにして、廃棄するビニールと同じ種類のものをひもにして、2か所を結束します。

ポリオレフィン・ポリエチレンなどでできたフィルムも上記同様、つづら折りにして結束するか、杭を利用してぐるぐる巻きにし、廃棄する素材と同じもの、またはマイカ線などを利用して2か所を結束します。

こちらの図解(搬入対象品目規格)で見るとわかりやすいかと思います。

回収費はどのくらいかかる?

各地域で手続き方法や搬入回数が違うのと同じように、回収費も地域ごとに異なります。

先で紹介した千葉市と土浦市の場合は

  • 千葉市 1束あたり70円
  • 土浦市 1kgあたり32円

です(2019年時点)。

処理業者との契約にかかる費用も異なります。その地域の登録料、回収費は事前に確認しましょう。

また千葉市のHPには、取扱注意事項に

処理費用は有料ですので、重量がかからないよう土砂ははたき、水分は付着させないでください。

引用元:千葉市:農業用使用済廃プラスチック類の適正処理(農業生産振興課)

と書かれています。

回収費が「1kgあたり○円」と定められているところがほとんどですから、指示されている梱包方法に従い、土や水分で重量が増えないよう意識しましょう。

 

 

プラスチック問題と向き合うために

農業用ビニールの廃棄手順、気になる処分費用について。回収費はどのくらいかかる?|画像2

 

いま、農業用ビニールの回収費が値上がりしていると言われています。

2017年に、中国が廃プラスチックの輸入を禁止しました。

日本は、国内で発生する年間約900万トンのプラスチックごみのうち、約100万トンを輸出して処理していました。しかしその最大の受け入れ国だった中国が輸入を禁止したことにより、国内の処理施設が逼迫。新たな処理方法を探す必要があり、回収費がつり上げられているといいます。

回収費の値上がりは、生産コストにも関わりますから、必然的に農業従事者はプラスチック問題と向き合うことになります。でも「プラスチックを使わない」という選択肢は現実的ではありません。

まずは無駄な使用を減らしてみましょう。耐久性の高い被覆資材を選べば、長い期間使うこともできれば、張り替え作業の省力化にもつながり、トータルコストの低減にもつながります。

また可能なものは再利用する、生分解性の素材を活用するのもおすすめです。廃プラスチックが排出されるのを抑制することに努めましょう。

 

参考文献

  1. 農業分野から排出されるプラスチックをめぐる情勢 平成31年2月 農林水産省
  2. 千葉市:よくあるご質問(FAQ):農業用廃プラスチック類の処理方法を知りたいのですが。
  3. 千葉市:農業用使用済廃プラスチック類の適正処理(農業生産振興課)
  4. 農業用廃プラスチック適正処理事業|土浦市公式ホームページ
  5. 農家のみなさまへ 千葉市農業用廃プラスチック対策協議会
  6. 瀬谷勝頼他, 『むら・まちづくり総合誌 季刊地域 SPRING 2019 No.37』, 2019年5月1日, 一般社団法人農山漁村文化協会
  7. プラスチックと賢く付き合うための農業生産現場での取り組み

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