【2018年版】日本の農作物輸入ランキング

【2018年版】日本の農作物輸入ランキング

日本は世界第1位の農産物純輸入国だと言われています。「輸入食品なくして食生活は成り立たない」と言われるほど、依存傾向にあるのが現状です。他の主要先進諸国と比べると、日本の食料自給率は最低水準です。

本記事では、そんな日本の輸入の現状をランキング形式にして調べてみました。

 

 

日本の農作物輸入ランキング

【【2018年版】日本の農作物輸入ランキング|画像1】

 

本記事で紹介するのは、農林水産省が発表している「品目別貿易実績」と平成30年10月(平成31年1月現在で最新の情報)の「農林水産物・食品の輸入実績」です。農林水産物の輸入金額は以下のようになっています。

農林水産物:約8,711億円(前年同月より7.1%増)
農産物:5,896億円(前年同月より5.5%増)
林産物:1,148億円 (前年同月より14.3%増)
水産物:1,668億円 (前年同月より8.6%増)

「品目別貿易実績」を参考に輸入ランキングをつくると以下のようになります。

  1. たばこ
  2. 豚肉
  3. 牛肉
  4. とうもろこし
  5. 生鮮・乾燥果実
  6. アルコール飲料
  7. 鶏肉調整品
  8. 製材
  9. 木材チップ
  10. さけ・ます

また「農林水産物・食品の輸入実績」(平成30年度10月)を参考にランキングをつくると以下のようになりました。

  1. 油脂
  2. 冷凍野菜
  3. 豚肉(くず肉含む)
  4. 野菜缶・びん詰類等
  5. でん粉等・イヌリン
  6. パーム油
  7. 牛肉(くず肉含む)
  8. アルコール飲料
  9. 鶏肉
  10. コーヒー豆(炒ってないもの)

いずれにせよ、消費者にとって身近な食品のほとんどがランクインしていることがわかります。

 

 

輸入大国・日本の推移

【【2018年版】日本の農作物輸入ランキング|画像2】

 

日本の農産物輸入は、金額ベースで大幅に増加しています。高度経済成長の影響で食生活が大きく変化し、畜産物の需要拡大や油脂類の生産が増加しました。しかし畜産物を育てるのに必要な飼料や油脂類の原材料は国土条件等により輸入に依存せざるを得ません。食肉需要の高まりもそうですが、食品消費構造の変化や消費者からのニーズに対して、国内の農業生産が出荷量、価格等で対応しきれていないことも、輸入に依存せざる得ない原因でもあります。

冒頭で、日本の農産物純輸入額は世界第1位だと紹介しました。農産物純輸入額とは「輸入額ー輸出額」で算出された輸入額を指します。”農産物輸入額”であればアメリカ、中国に次いで3位です。しかしアメリカや中国、EU加盟国などと比較したとき、日本の輸出入バランスの偏りに気づかされます。アメリカ等は輸入額だけでなく輸出額も多いです。一方日本は圧倒的に輸入に偏っています。このことは、日本の食糧供給が世界の食糧需給の変動や輸入先の国の政策の影響を受けやすいことを示しています。輸入先の国が限定されていたりすると、その国の政策により食糧供給が滞ることも考えられるのです。

輸入に依存している日本ですが、日本政府は2019年までに輸出額1兆円を目指しています。今後は日本政府の施策によって輸出入バランスを整えるだけでなく、輸入先の多角化を図ることも求められていくことでしょう。

 

 

注目の輸入農作物

【【2018年版】日本の農作物輸入ランキング|画像3】

 

昨今、日本では野菜の輸入が増加しています。天候不順の影響で、国内出荷量が低下していることも要因として挙げられますが、「カット野菜需要の高まり」も輸入増加の要因として挙げられています。

近年、天候不順による野菜の価格高騰が多発していますが、カット野菜は比較的価格が安定しています。また「袋から出せばすぐ食べられる」という簡便さから人気が高まっており、中食や外食向け需要が高まっているのも理由のひとつです。

しかし需要に応えるためには、野菜を確保しなければなりません。国産野菜の確保が困難になりつつあるため、輸入野菜を導入するカット野菜企業が増えていると言われています。また昨今の海外産の品質は向上しています。国産と味がほぼ変わらなければ、臨機応変に対応しやすい輸入野菜の需要が高まるのも納得ですね。

 

参考文献

  1. 農 林 水 産 物 輸 出 入 情 報 平成30年10月分
  2. 輸入食品の推移 厚生労働省
  3. 品目別貿易実績:農林水産省
  4. 我が国の農産物輸入等の動向
  5. 野菜の輸入 激増! 意外な理由

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