今更聞けない肥料のあれこれ。種類や成分、肥料焼け対策

今更聞けない肥料のあれこれ。種類や成分、肥料焼け対策

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農作物を育てるのに必要なものとして、水と栄養分が挙げられます。
そして農作物の生育をサポートするのに活用されるのが「肥料」です。昨今、食の安心・安全思考の高まりからか、肥料への印象はあまり良くないように感じます。化学農薬・肥料を使わずに栽培する有機栽培や肥料も農薬も使わない自然農法が世間に広く知られるようになりましたが、肥料そのものは決して悪ではありません。農作物の育成・栽培に欠かせない存在です。

そこで本記事では、

・生産者にはうまく活用してもらうために
・消費者には肥料の正しい知識を知ってもらうために

「肥料」について紹介していきます。

 

肥料の種類

■肥料取締法における肥料
昭和25年に制定された「肥料取締法」において、肥料は

・植物の栄養に供すること
・植物の栽培に資するため土壌に化学的変化をもたらすことを目的として土地に施されるもの
・植物の栄養に供することを目的として植物に施されるもの

と定義されています。なんだか捉えづらい内容ですね。

ただこの法律の目的は、

・肥料の品質を保全すること
・農業生産力の維持増進への寄与
・国民の健康の保護

とあり、過去に発生した「残留農薬」「無登録農薬の使用」などに対する規制線が張ってあります。

なおここでは大きく分けて2種類に肥料が分類されます。

特殊肥料:農林水産省が指定した魚かすや堆肥など
普通肥料:特殊肥料以外の肥料

特殊肥料について分かりやすく説明するために、ホームセンターなどでも販売されている市販の肥料を見てみましょう。窒素、りんなど、必要な成分の含有量が正確なものとは違い、魚かすや堆肥は含まれている成分量がまちまちで、使用する際「計算だけでは必要量を算出できない」特徴があります。

なお「市販されている肥料は身体に毒」といった内容は、探せばいくらでも出てきます。農薬もそうです。実際、世界の規制と比較した時、規制がゆるく感じる事項もいくつかあります。しかし、

・生産者は正しい用量・用法を守って使う
・消費者は正しい情報を知り、選択する

ことが一番重要なのではないでしょうか。

 

原料別の分類

・有機質肥料
・無機質肥料

が挙げられます。
まず有機質肥料ですが、これは植物や動物の死骸や排泄物などを原料とした肥料をさします。この肥料を施した場合、肥料に含まれる有機物を土壌中の微生物が分解してから、その生成物を植物が吸収するため、あまり速効性はありません。ただし、その分ゆっくり長く効くのが特徴です。土壌の状態を第一に考えるのであれば、有機質肥料がおすすめですね。
一方で無機質肥料は、化学的に合成された肥料であり、速効性があります。有機質肥料と違い、独特な臭いもありませんので使いやすさは抜群です。

 

用途別分類

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肥料には使い方によってさまざまな名称がありますが、実は「何がどの用途を指しているか分からない」という人もいるのではないでしょうか。見ていきましょう!

元肥:苗の植え付けなどに施肥する(緩効性、効果が長続きするものがおすすめ)
追肥:栄養分補給などを目的に施肥する
芽だし肥:発芽を促すために施肥する
寒肥:果樹等の休眠期に施肥する
玉肥:開花後や果実の収穫後に、果樹などを回復させるために施肥する

 

肥料の三要素

・窒素(N)
植物の生育に大きく関わる栄養素。
植物の「生命維持」に関わります。タンパク質や核酸の合成、光合成や細胞分裂、遺伝子にも必要な物質です。必要な物質だからといって過剰に与えてしまうと、植物が徒長してしまい、病害虫被害に遭いやすくなるため、施肥する際にはその量に注意しましょう。

・リン酸(P)
主に開花、結実に関わる栄養素。

・カリ(K)
主に根の発育と細胞内の浸透圧調整に関わる栄養素。
元肥ではなく、追肥など少しずつ与えることが推奨されています。

・与える量やバランスに注意しよう
農作物が生育するには「窒素・リン酸・カリウム」以外にも必要な栄養素がたくさんあります。カルシウムやマグネシウムなども挙げられますが、どれも与える際にはバランスを考えることが重要です。常に「何が足りていないか」「何がもう必要ないか」を判断しながら与える必要があります。

 

肥料の計算方法

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・肥料成分表の見方
※成分表で栄養素の分量を把握できない特殊肥料、有機質肥料などは除きます。
市販されている肥料には、裏面に数値が記載されています。例えば(10-10-5)の場合には、肥料全体の重量で換算した時に「窒素(10%)・リン酸(10%)・カリウム(5%)」という意味です。

・肥料の計算方法
「必要な肥料量」=「施肥量」×「肥料成分」
が一般的です。
必要な肥料量:農作物に必要な肥料量の目安。農林水産省より「都道府県施肥基準等(整理表)」が発表されているので、それらを参考に定めます。
施肥量:畑にまく量。主にKg表示。
肥料成分:肥料裏面に記載されている成分。

先で紹介した(10-10-5)の肥料成分表で、実際に計算してみましょう。
問い:20kg入りの肥料(肥料成分:10-10-5)を使い、10㎡当たり窒素成分200gを施肥したい場合
まずは分かりやすく、%表記をg換算に直しましょう。

窒素:10%×20キロ=2,000g
リン酸:10%×20キロ=2,000g
カリウム:5%×20キロ=1,000g

窒素成分は、肥料1kg当たり100g入っています。「10㎡当たりチッソ200gを施肥する(必要な肥料量)」は、計算式に当てはめて「200g÷10%=2kg」ということになります。

・簡単に計算できるソフト
計算方法を紹介しましたが、簡単に計算できるソフトもあります。「はたけの倉庫」というサイトが発信している計算ソフトは、「肥料成分・肥料の種類・作物名」を選ぶだけで、必要な量が計算できます。

・手軽なスマホアプリも
計算ソフトのみならず、スマホアプリもあります。スマホアプリ『肥料計算』は、必要成分量などを計算し、施肥量が一目で分かるシンプルな計算アプリです。

・肥料焼け対策
最後に「肥料焼け」への対応を紹介します。
肥料焼けは、肥料過多によって生じます。根が褐色化する、萎える、枯れるなどの症状が起き、生産に大きく影響します。肥料焼けを起こしてしまった場合には、肥料を取り除くのですが、その際周りの土も一緒に取り除きます。そして他の場所の土を持ってきて、肥料を流すように水を多めにまきましょう。肥料焼けを起こさないためには、元肥を与えすぎないことが重要です。

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