使い道色々!寒冷紗の魅力

農作物を育てていると、夏場の猛暑や冬場の霜といった気候の変化から農作物を守ったり、病気や害虫被害を予防したりと、悩みがつきません。農業用資材や農薬を使えば、それぞれの悩みに対応することができますが、どうせならマルチなアイテムを活用したいもの。

そんなとき、役立つのが「寒冷紗」です。

 

 

寒冷紗とは

 使い道色々!寒冷紗の魅力|画像1

 

横糸と縦糸を荒く織り込んだ布を指します。素材として麻や綿などが用いられますが、農業用に用いられる寒冷紗は性能向上のために、合成繊維ビニロン糸、テトロン糸や高強力ポリエステル糸などが用いられていることが多いです。

防虫ネットや不織布などのアイテムによく似ている「寒冷紗」ですが、

  • 保温
  • 遮光
  • 防風
  • 防虫

といった効果が挙げられます。

寒冷紗は比較的季節を問わずに使うことができます。

  • 初春 育苗など
  • 夏場 遮光など
  • 冬場 保温や霜防止など

防虫ネットとの違い

防虫ネットは光ではなく虫を遮ることに特化したネットです。光を反射する素材を用いた防虫ネットもありますが、寒冷紗の中には防虫ネットのように、光を反射させる銀色のテープが織り込まれたものもあるため、防虫機能がある寒冷紗に関しては「よく似たもの」と捉えてもいいでしょう。

不織布との違い

普通の布は織ったり編んだりすることでつくられますが、不織布はその名の通り、織ったり編んだりをせず、繊維を熱や接着剤を用いて結合させることでつくられます。不織布の原料は羊毛や綿、麻、化学繊維などさまざまですが、不織布には「多孔質」(細かい穴が空いた状態)という共通の特徴があります。

そんな不織布は寒冷紗同様、遮光性や通気性をもち、軽量で保水性に優れている特徴があります。本記事では「寒冷紗」について紹介しますが、用途によっては防虫ネットや不織布にも注目してみてください。

 

 

寒冷紗の活用法

使い道色々!寒冷紗の魅力|画像2

 

遮光

夏場の強すぎる日光に限らず、種をまいた後の強すぎる日光は発芽の妨げになります。そこで寒冷紗を使って遮光を行います。遮光することで強すぎる日光を和らげることができます。地温上昇を防ぐことで、発芽適正温度を保つことができ、発芽の安定をはかることができます。

水分蒸発抑制

地温が上昇してしまうと、土壌中の水分が蒸発してしまいます。発芽には水分が必要になりますから、水分の蒸発は発芽の妨げになります。寒冷紗をかけることで保湿効果が得られます。日光による温度上昇を防ぐだけでなく、急激な水分の蒸発を防ぐこともできますよ!

害虫予防

せっかく種をまいても、害虫や鳥に食べられてしまっては意味がありません。害虫予防にも寒冷紗は役立ちます。発芽までの間、土壌を覆うようにして張るのも効果的です。ただし、発芽した後も寒冷紗をかけっぱなしにすると作物が徒長することがあるため、発芽後はトンネルがけにするなどの工夫を凝らしましょう。

防風対策

湿度を好む農作物でない限りは、適度な風通しが必要です。とはいえ、強風によって農作物が折れてしまっては意味がありません。寒冷紗には防風の効果もあります。寒冷紗をかけることで、強すぎる風による悪影響を抑えることができます。

防寒対策

暑い時期に地温が上昇するのを抑えるだけでなく、冬場の防寒にも役立ちます。

霜害防止

防寒だけでなく、霜から植物を守るのにも役立ちます。霜がついてしまうと葉が痛んでしまいます。しかし寒冷紗をかければ、霜や土壌の凍結を抑えることができます。

 

 

寒冷紗を使用する際の注意点

使い道色々!寒冷紗の魅力|画像3

 

黒い寒冷紗は使い方に注意

夏場は黒い寒冷紗の使い方に注意しましょう。黒い寒冷紗は、他の色に比べて遮光率が高いため、日光不足による徒長(芽や苗がひょろひょろと貧弱になったり、無駄に伸びたりすること)の可能性が高まります。

ある程度日光を必要とする農作物の場合には、黒色以外を選ぶか、気象条件や農作物の特徴に合わせて遮光ネットなどと使い分けることをおすすめします。

防虫効果を期待しすぎない

寒冷紗の中には、

  • 目が1mmほどの細かいもの
  • 虫が嫌う銀色(光を反射する色)のテープや糸が織り込まれているもの

などがあり、防虫効果が期待できるものがあります。

とはいえ、寒冷紗のわずかな隙間や破れ目から虫が侵入したり、寒冷紗をかける前に植物に卵や害虫が付着していたり、害虫から農作物を寒冷紗だけで100%守れるわけではありません。
また寒冷紗のもつ保温効果が、夏場にはかえって虫が好む環境を生み出してしまうことも。防虫目的で使用する際には、通気性の良さなどから防虫ネットを選ぶことも考えましょう。

マルチな使い道のある寒冷紗を使ってみよう

黒色の寒冷紗の使い方や「防虫効果を期待しすぎないこと」といった注意点もありますが、寒冷紗はマルチな使い方ができるのでとても便利です。
耐久性があるので長い間使うことができますし、遮光率を選べば幅広い季節に使うことができます。

春~秋の長い期間に活用しやすいアイテムですから、被覆する農業資材をはじめて選ぶのであれば、まずは寒冷紗から選んでみてはいかがでしょうか。

 

参考文献

  1. 寒冷紗 MAU造形ファイル
  2. 農業で大活躍の不織布は「何がそれほどいいのか」 ワリフカフェ
  3. 寒冷紗(かんれいしゃ)の使用目的を知って、効果的に賢く利用しよう!  LOVEGREEN
  4. どんな効果がある?不織布、寒冷紗、防虫ネットの違いと使い方をホームセンター社員が紹介します。黒いのもありますよ〜 ホームセンター社員の日常
  5. 寒冷紗とは?防虫や日よけ、温度調節まで幅広い使い方を知る!
 

記事の平均評価