毎年死亡事故も!スズメバチが農作物に与える被害とは?

毎年死亡事故も!スズメバチが農作物に与える被害とは?

スズメバチは非常に危険な生物で、熊や毒蛇による死亡数よりもスズメバチに刺されることによる死亡数の方が多いくらいです。毎年平均30名以上が犠牲になっており、ニュースでもよく報じられます。スズメバチは山林にいることが多いのですが、近年では都心でも見かける事があります。人家に大きな巣を作ることがあり、軒下や雨戸の戸袋、天井裏に営巣(えいそう)しているケースも散見されます。

スズメバチの針はハチ用の防護服を貫通するほど強く、刺さなくても毒液を飛ばしてくることがあります。目に入れば失明の危険がありますし、皮膚に付着すると炎症を起こすほど強力な毒性を持っており注意が必要です。この記事では、スズメバチの生態や農作物に与える被害、その対策などをご紹介します。

■スズメバチの種類と生態

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日本には、主に以下の8種類のスズメバチが存在します。

・オオスズメバチ
・ヒメスズメバチ
・キイロスズメバチ
・コガタスズメバチ
・モンスズメバチ
・チャイロスズメバチ
・ツマアカスズメバチ
・ツマグロスズメバチ

このうち、オオスズメバチは世界最大のハチとして知られ、攻撃性と毒性が最も強いとされています。樹木の根元に営巣することが多く、知らずに近づいて刺される場合があります。

人家に巣を作るのは主にヒメスズメバチやキイロスズメバチで、都市部でもよく見られます。攻撃性はスズメバチの中では最も低いですが、油断すると痛い目に遭います。

キイロスズメバチは攻撃性が強い上に営巣(えいそう)の規模が特に大きく、都市部に適応しており、人間の被害例が多いハチです。直径1m以上の巣を屋根裏や軒下、雨戸の戸袋等の閉鎖空間に作ることがあります。さらに、ハチの数が多くなると巣を増やし、木の幹などの開放された空間にも巣作りします。

スズメバチの繁殖期は8~10月がピークで、この時期は最も凶暴になります。巣に近づくだけで集団で襲ってくるので、巣やハチを見つけたらとにかく近づかないようにしましょう。特にオオスズメバチは仲間を呼ぶフェロモンを出しながら、1匹でも襲ってくるので気をつけましょう。繁殖期が夏の暑い時期にあたり、薄着の人が多いため素肌を簡単に刺されてしまうケースが後を絶ちません。

 

 

 

■スズメバチによる農作物の被害とは?

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スズメバチは幼虫のエサとして他の昆虫類を捕らえ、肉団子にして与えます。スズメバチ自身は農作物を食害しないので、直接的な被害はありません。ただし、農作業中にスズメバチに刺されることはあるので、肌を露出しないことや巣に気をつける等の対策は必要となります。

スズメバチはミツバチを捕食対象とし、積極的に捕まえます。オオスズメバチが数十匹いれば、2時間でセイヨウミツバチ4万匹を全滅させて巣を占拠してしまいます。そのため、養蜂業者にとっては天敵と言えます。ミツバチが減ってしまうと、農作物が受粉できず結実しない事があります。スズメバチは間接的とは言え、農業にダメージを与えるのです。ミツバチが減少したら人工授粉する必要がありますが、効率が悪く奇形も発生しやすくなるので経済的被害が大きくなります。

また、現在懸念されているのはツマアカスズメバチという外来種のスズメバチで、世界規模で分布地域を拡大しています。ツマアカスズメバチはミツバチを主食としているため、養蜂業と農業に深刻なダメージを与え、攻撃性も高いため人間を刺すことも多いです。日本では近年中国からの流入が確認され、九州での営巣(えいそう)例が見受けられます。日本全国に拡大する可能性は高く、有識者による打開策が待たれますが現状では発見次第駆除するしかありません。

 

 

 

■対策

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スズメバチの被害に遭わない為には、まず近づかないことが第一です。山林や畑ではスズメバチがどこにいるかわからないので、長袖長ズボンで帽子をかぶり首にはタオルを巻いて肌の露出を防ぎましょう。

香水の匂いに反応して寄ってくることがあるので、香水の使用は控えてください。虫除けスプレーが効かないこともあるので、過信は厳禁です。スズメバチを見かけたら、できるだけ早く逃げましょう。その際、姿勢を低くすると効果があるようです。

スズメバチの巣を見つけたら、自分で処理してはいけません。業者に連絡してください。行政の担当窓口でも構いません。自分で処理しようとしてスズメバチに刺される事故が起きた例もあります。素人判断で動くと命に関わりますので、専門家に任せてください。

 

 

■まとめ

スズメバチは小さいうえに飛行するため、どこにでも侵入してきます。イノシシやシカと違って柵で防ぐことはできません。干してある洗濯物の中に潜み、服を着た人間を刺すこともあり、油断していると大変なことになります。たかが虫だと軽く見る人もいるのですが、毎年死者が出ていることを考えると侮るわけにはいきません。スズメバチを見たら刺激しないようにし、自分の安全を確保してください。

 

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