【月ごと】発生しやすい病害虫まとめ。何月にどのような野菜がどんな被害に遭いやすいのか

【月ごと】発生しやすい病害虫まとめ。何月にどのような野菜がどんな被害に遭いやすいのか

本記事では、1〜12月までの各月ごとに、発病・発生条件が揃いやすい代表的な病害虫と、その被害の受けやすい野菜、発生傾向についてご紹介していきます。

ただし、病害虫の発生傾向は地域・作型・気象(降雨、気温、湿度)で年ごとの差が大きくなります。病害虫に対する最終判断を下す際には、各都道府県が病害虫発生予察情報を公表していますので、そちらを必ず参照してください。

 

 

【月ごと】発生しやすい病害虫

月ごとの発生しやすい病害虫まとめ。何月にどのような野菜がどんな被害に遭いやすいのか|画像1

 

本州中心の露地栽培と施設栽培で問題化しやすいものを併記しています。なお、一般的に、作物の病害は雨が続いて葉が長く濡れていると発生しやすくなります。一方、害虫は気温が高くなるほど活発に動き、作物の葉や実がやわらかい時期に被害が出やすくなります。

主な病害虫

傾向

1月

(露地)冬越し病害の持ち越し/(施設)コナジラミ・アブラムシ等 低温で露地害虫は鈍るが、越冬・施設内増殖が起点になる

2月

タマネギべと病(発生が増え始める時期) 曇雨天・結露で病気が広がりやすくなる。地域によって2月下旬〜3月が山場

3月

タマネギべと病(発病増)/アブラムシ類(飛来・増殖開始) 気温上昇で吸汁被害を及ぼす害虫が増え、ウイルス媒介・すす病の間接被害も

4月

育苗期の苗立枯(多湿環境下で出やすい)/コナジラミ類(施設で増加) 苗床の多湿が病害を招く。施設では外から入り込んだ害虫や越冬個体が数を増やしやすくなる

5月

ジャガイモそうか病(感染が始まりやすい時期)/春〜初夏のアブラムシ増 塊茎形成期〜若い塊茎期にそうか病の症状が出やすい。

6月

べと病(キュウリ等)/いもち病(地域で初発) 梅雨で葉が濡れた時間が続くと病気が広がりやすい。水稲は地域で6月下旬頃から発生が見られ始める

7月

いもち病/ハスモンヨトウ 水稲は7月下旬に葉いもちが増えやすい地域がある。夜蛾類は夏に密度が上がる

8月

いもち病(穂いもち移行注意)/ハスモンヨトウ(被害出始め) 葉いもちが多いと穂いもちへ移行しやすい。ハスモンは8月中旬頃から被害が見えやすい

9月

ハスモンヨトウ(急増期)/秋まきダイコンのシンクイ・ノミハムシ類 フェロモントラップに多くの害虫がかかりやすい時期。秋まきしたアブラナ科の発芽したばかりの苗に害虫がつきやすい

10月

ハスモンヨトウ(地域によりピーク継続)/秋まきダイコンのキスジノミハムシ等 ダイコンは10月上旬までキスジノミハムシ等の被害が課題になりうる

11月

アブラムシ(秋ピーク)/(施設)コナジラミ越冬 アブラムシは秋もピークになりやすい。施設では害虫が越冬し、翌春の火種になりうる

12月

(露地)害虫の活動鈍化/(施設)アブラムシ等継続 露地は低温で活動低下。施設は温度があれば通年化するため引き続き注意が必要

月ごとの病害虫傾向をまとめると以下の通りです。

冬季(1〜3月): 病害中心だが、アブラムシ類の飛来開始に注意。
春(4〜6月): 害虫活動が急増し、湿害病害も発生。
夏(7〜8月): 病害虫のピーク。防除対策を集中的に実施。
秋(9〜10月): 秋野菜の管理と残存害虫対応が課題。
冬準備(11〜12月): 越冬病害虫対策と栽培環境管理が鍵。

以下、各月の傾向について要約します。

1月

月ごとの発生しやすい病害虫まとめ。何月にどのような野菜がどんな被害に遭いやすいのか|画像2

 

この時期は高温・多湿を好む害虫類の活動はほとんど見られませんが、一方で、春に増える病害虫の「火種」を残さないことが重要です。施設栽培では、オンシツコナジラミが越冬して密度を保ち、冬〜初夏にかけて問題となることがあります。アブラムシも温度条件が揃えば季節を問わず発生し得るため、葉裏の観察と侵入防止(防虫ネット、粘着トラップ)が有効です。

2月

月ごとの発生しやすい病害虫まとめ。何月にどのような野菜がどんな被害に遭いやすいのか|画像3

 

2月下旬〜3月にかけて、地域によってはタマネギべと病の感染好適条件が出現し、潜伏期間を経て発病が増えることがあります。曇雨天の継続や結露はリスクを押し上げます。したがってこの時期は、一次感染株の早期除去や、予防・治療薬剤の適期散布(同一系統の連用回避=ローテーション)が重要です。

この時期はまだ害虫の活動は限定的ですが、アブラムシ類の飛来が始まる時期でもあり、ハウス内の管理が不十分だと侵入被害が発生してしまいます。防虫ネットや黄色粘着トラップなどの予防策が有効です。

3月

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3月になると春本番に近づき、アブラムシ類やハダニ類の飛来が増えます。特にトマトやナス、ピーマンなどのナス科作物は葉や茎にアブラムシが付着しやすく、吸汁被害やウイルス病発生のリスクが高まります。また、アブラムシの排泄物からすす病が二次的に発生することもあります。春先の飛来を防ぐためには、外部からの侵入防止対策が有効です。

4月

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4月は春作の定植・育苗期に当たり、苗立枯病などの土壌病害が発生しやすい時期です。苗の株元が黒ずんだり、根から腐敗が進行して生育不良になる症状が見られます。育苗用土の衛生管理、過湿回避、換気が基本です。

また、4月から活動を開始する害虫としてはコナジラミがあり、施設栽培でも高温気味の日に発生が見られます。同虫はナス科・ウリ科作物に幅広く被害を及ぼします。外部からの侵入防止と定期的なモニタリング(葉裏観察や粘着板に捕えられた害虫の観察)が重要です。

5月

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5月になると、いよいよ気温が上昇し、ウリハムシやカメムシ類など害虫が本格的に増えてきます。アザミウマ類やハダニ類も活発になり、葉裏への吸汁被害が増加します。特にトマトやナスでは、葉色の変化や萎れが見られたら注意が必要です。この頃から、トラップや防虫ネット、葉面散布剤の利用による予防的防除も広く行われます。

5月はジャガイモのそうか病に注意したい時期でもあります。土壌pH管理や灌水管理など、病原菌が増えやすい条件を作らないことが重要です。

6月

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6月は梅雨入りし、高温多湿が続くことでべと病、疫病、そうか病などの病害が急増しやすい季節です。葉菜類や果菜類は湿度条件が揃うと一気に病斑が拡大しやすいため、早期発見と、換気や株間確保、薬剤散布等の予防的防除が重要です。

また水稲では地域によって6月下旬頃から葉いもちが見られ始めるとされ、気象条件次第で発生が助長されます。

ハスモンヨトウやアオムシ類などの越夏害虫が活動期を迎え、葉を大きく食い荒らす被害が見られます。園芸用粘着トラップや定期的なほ場巡回で、害虫密度を管理することが重要です。

7月

 

暑さと湿気が揃い、病害虫の活動が爆発的に活発になる月といえます。アブラムシ、ハダニ、アザミウマ類はピークを迎え、果菜類の葉・果実にも大きな被害を与えます。この時期は植物の生育も旺盛なため、被害が進行すると生育遅延や収量減少につながります。害虫防除では、薬剤抵抗性も問題になるため、散布薬剤のローテーションも意識する必要があります。

水稲では、7月下旬に葉いもちが最も多くなる地域があるとされます。葉いもちが多いと穂いもちへ移行しやすいため、初発確認後の迅速な防除がポイントです。

8月・9月

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8月は、葉いもちの状況次第で穂いもちへの移行リスクが高まるため、水稲は引き続き警戒が必要です。また、秋野菜の苗が定植されることで、再び苗立枯病や茎腐れ病などの発生が見られます。

8月〜9月は、秋作の準備や夏作の収穫期に当たり、夏の高温多湿期に引き続き、害虫の活動が見られます。ハスモンヨトウは、被害が8月中旬頃から見え始め、9〜10月に急増することが多い害虫です。フェロモントラップ誘殺数が急増した注意報(県発表)が出ることもあるため、地域の予察情報に従って早期防除を組み立てます。

この季節は多様な害虫・病気が混在しがちなので、作物ごとに診断して防除策を分けることが大切です。

10月

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10月になると気温が下がり始めますが、秋野菜のアブラナ科(カブ、ハクサイなど)にはハスモンヨトウやアオムシ類の害が残りやすいです。病気は秋雨による湿害で菌核病や軟腐病が発生しやすくなります。葉物は生育が遅れていると病害の影響が大きくなるため、定期的な観察と早めの防除が必要です。

11月・12月

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11月は秋から冬への移行期で、害虫活動は段階的に弱まります。ただし、越冬する害虫の幼虫・成虫が作物の葉裏や落葉下に潜み、翌年に備えるケースがあります。冬型病害としては、褐斑病や白色疫病が低温期でも発生することがあります。

12月に入ると多くの害虫は活動を停止しますが、温室栽培や室内栽培では依然としてアブラムシ類やハダニ類の活動が確認される場合があります。したがって、栽培環境に応じた管理(換気・湿度コントロールなど)が大切です。

 

参照サイト

関連記事:キスジノミハムシの生態と農作物への被害、対策方法について

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