泥炭土の特徴とは。黒泥土との違い。泥炭土で栽培する前にやるべきことについて。

泥炭土の特徴とは。黒泥土との違い。泥炭土で栽培する前にやるべきことについて。

まず「泥炭土」とは、泥炭と呼ばれる植物の枯れ葉などの植物遺体が堆積してできた有機物を基とする土壌を指します。本記事では泥炭土の特徴やそのような土壌で栽培を行う前にすべきことについてまとめていきます。

 

 

泥炭土の特徴

泥炭土の特徴とは。黒泥土との違い。泥炭土で栽培する前にやるべきことについて。|画像1

 

植物遺体が堆積してできた泥炭を基にした土壌のため、窒素地力が高いのが特徴です。ただし、リン酸や微量要素といった他の養分が少なく、通気性や排水性がわるい、酸性が強いといった特徴があり、泥炭土をそのまま利用するのは作物の生育をよくするうえでは好ましくありません。とはいえ、近年では土地改良が進んだことで通気性・排水性などの物理性が改善されてきたともされています。

黒泥土との違い

これらの違いは主に植物遺体の分解・腐朽の程度に違いがあります(ただし、実際の土壌分類では、泥炭層や黒泥層の厚さ、分布する深さ、無機物の混入状況なども考慮されます)。

たとえば泥炭土は植物遺体が分解しきらない土であり、植物の原型がまだ残っている状態です。一方、黒泥土は、泥炭の分解・腐朽が進み、植物の組織が判別しにくくなった黒泥を主体とする土壌です。いずれも有機物が多く、下層は水分が多く還元的(酸素が少ない状態)になりやすいです。

 

 

泥炭土の土壌改良

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前述した通り、泥炭土は窒素を多く含む一方で、その他の養分に乏しく、保水性が高く、強酸性といった特徴があります。そんな泥炭土の土壌改良では、土壌に対し、単に肥料を加えるのではなく、以下の点を整えることが重要です。

  • 排水性
  • 酸度
  • 養分バランス
  • 地耐力(地面が作物や農機の重さを支える力)

排水性を整える

泥炭土の最大の課題は、過湿になりやすいことです。水分が多すぎると土中の酸素が不足し、根が伸びにくくなります。泥炭土を農地として利用するには排水を良くすることが不可欠なため、土中の水を排水する必要があります。北海道の開発事例では、土の中にたまりすぎた水を外へ流す工事と、別の土を運び入れて表層を改良する作業が同時に行われています。

圃場レベルでは、明渠・暗渠の整備、排水口の点検、畝立て、高畝栽培などが基本です。ただし、北海道立総合研究機構の資料によると、“(泥炭土の)圃場の排水性は無機質層(客土層)の厚さや土性により異なる。また、無機質層と泥炭層では土壌水分変動が異なる。”と記されています。そのため、単に水を抜けばよいという話ではなく、表層にどのような土が入っているかも確認する必要があります。

作物が根を張れる層をつくる

代表的な改良方法に「客土」があります。この作業は、農作物が育ちにくい土地や栄養が足りない土地を改良するために、他の場所から適した土を運び入れて混ぜたり、入れ替えたりする作業を指します。

客土を行うと、作土の物理性や化学性を整え、作物が根を張りやすい層をつくることができます。たとえば鉱質土を加えることで、泥炭土だけでは不足しがちな土の重さや締まり、塩基類を補い、地耐力の向上にもつながります。

ただし、客土すれば必ず良くなるわけではありません。粘土質の客土が多い圃場では、畑転換時に土が重く、砕土しにくく、孔隙が少なくなることもあります。北海道立総合研究機構の資料でも、粘土の客土が行われた泥炭土では、地下水位を下げても透排水性が劣る場合があると説明されています。

また、泥炭地では、排水による泥炭の収縮・酸化分解や、客土の荷重による圧密などによって、地盤沈下が進むこともあるため注意が必要といわれています。土壌診断や圃場条件を確認し、排水対策と組み合わせながら進めることが大切です。

酸性を矯正する

泥炭土は酸性に傾きやすく、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの塩基類が不足しやすい土壌です。そのため、土壌診断を行い、pHや塩基バランスを確認したうえで、石灰質資材などを使って酸度を調整します。

 

 

土壌診断をもとに継続的に見直す

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泥炭土の改良は、一度の作業で終わるものではありません。冒頭で述べた通り、土地改良が繰り返し行われてきたことで、現在は土壌診断でも養分が基準値を上回る圃場が多いとされています。

泥炭土の改良は、排水を整える、必要に応じて客土する、石灰質資材で酸性を矯正する、過剰な窒素施肥を避けるなどがあげられますが、土壌診断で継続的に見直すことも大切です。

作物の根が健全に働ける表層環境をつくることが、泥炭土改良の中心です。また、最後に、輪作も土壌の持続性を保つ考え方の一つとして重要です。

 

参照サイト

参考文献:生井兵治・相馬暁・上松信義編著「農学基礎セミナー 新版 農業の基礎」(農山漁村文化協会、2003年)

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