健康によいイメージの野菜「ケール」の注目続く!ケールの種類や栽培方法、注意点まとめ

健康によいイメージの野菜「ケール」の注目続く!ケールの種類や栽培方法、注意点まとめ

消費者が「健康によい」イメージを抱く野菜「ケール」が引き続き注目を集めています。実際にケールは、β-カロテンやビタミンC、カルシウムや目にいいとされるルテイン、妊娠に必須の栄養素である葉酸やミネラルなど、栄養素が豊富です。

そこで本記事では、健康志向の高まりから、消費者から注目を集めているケールについてまとめてみました。

 

 

消費者から見たケールの印象

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タキイ種苗株式会社が毎年実施している「野菜と家庭菜園に関する調査」より、ケールの認知度が高まっていることがわかりました。「2020年度 野菜と家庭菜園に関する調査」によると、全国の20歳以上の男女600人(農業に関連する仕事に従事する人を除く)にケールについてアンケートをとったところ、認知度は86.0%と、広く認知されていることがわかります。ケールのイメージについては

  • 健康によい 55.6%
  • 栄養が豊富 41.1%
  • スーパーフード 21.7%

といった回答が得られています。

とはいえ、ケールを実際に食べたことがある人は2020年度時点では31.5%と約3割にとどまっています。ただ、先で紹介した認知度の高さや食べたことがある人の約半数(55.1%)が「ケールが好き」と回答していることから、今後需要が高まるのではと期待が高まります。

 

 

ケールの種類

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ケールの代表的な種類を以下に記載します。

カーリーケール

細かくカールした葉が特徴的なケール。苦味やえぐみがほとんどなく、葉が柔らかいため生のまま美味しく食べることができる。サラダ向け。

シベリアンケール

ケールの中では小ぶりで、葉が青々としており、ケール特有の風味も強め。

コラードケール

長い楕円形に近い葉の形。葉にシワがほとんど入っていない。ブロッコリーの葉を少し丸くしたような見た目で、葉の色もブロッコリーによく似ている。青汁など加工品向け。

 

 

農業従事者から見たケール栽培の利点

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需要の高まりが期待されるケールは「栽培のしやすさ」が利点として挙げられます。

ケールは

  • 病害虫に強い
  • 収穫作業が比較的容易
  • ほぼ周年栽培可能

といった特徴があります。また強く丈夫に育つケールは、近年の気候変動による自然災害やそれによる悪条件下でも育つことが期待されています。

『月刊 現代農業2020年2月号』にはケール栽培を行う農家の事例が掲載されていますが、そこでは比較的つくりやすいけれど、寒い季節になり霜に当たると固くなってしまう品種と寒い季節でも葉が柔らかい品種を使い分けることで、夏(8〜9月)以外収穫を続けることに成功しています。

またJA長野県グループのポータルサイトでは、JAながのが行うケール栽培の事例が紹介されています。

関連記事:ケール栽培軌道に、収穫量10トン見込む|県内JAの話題|JA長野県グループ「農」のポータルサイト いいJAん!信州

 

 

ケール栽培の注意点

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そんな魅力的なケールですが、もちろん栽培には注意点があります。

まず基本的な情報ですが、ケール栽培に適した気候・環境は「日当たりが良く風通しのいい場所」です。冷涼な気候で育つ植物で、生育に最適な温度は15〜20℃です。

“風通しのいい場所”が栽培に適しているケールは、植える際、株間を広めにとります。葉が立ち上がるように育つケールは40〜45cmほど、葉が横に伸びるものは50〜60cmくらいにするのがよいでしょう。病気や害虫被害の予防にもなるので、間隔を意識しましょう。

なおケールはアブラナ科の植物です。連作障害を予防するため、地植えする際、過去に同じアブラナ科の植物を育てた場合には1〜2年間隔をあけてから植えましょう。

栽培上の注意

冷涼な気候で育つケールは耐寒性は強いものの、冬の低温や乾燥で葉の色が退色したり、根が傷んだり、肥料が切れたりすると、地上に出ている部位の傷みが発生しやすくなります。また多湿な環境では黒腐れ病やべと病などが発生する可能性が高まるので、排水性の向上や病気を予防するための薬剤散布など、意識的に行ってください。

手入れする際の注意点

ケールはアブラナ科の植物であるキャベツと同じく、アオムシなどによる食害を受けやすいので、防虫ネットをかけましょう。虫が入り込まないよう、防虫ネットの裾を土に埋めて隙間をつくらないようにします。

葉の数を増やすために、追肥を行ってください。後述しますが、収穫を長く続けるために、収穫の時期も適宜追肥を行いましょう。

収穫する際の注意点

外葉が30〜40センチくらい伸び、葉の色が濃くなったら収穫の合図です。成長した葉を下の方からはさみで切り取るなどして収穫します。収穫を長続きさせるためには、一度にたくさんとりすぎないこと、肥料を切らさないことがポイントです。

春作の場合は、温度が上がるとチップバーン(新葉の緑などが焼けたように褐変し枯死する生理障害)が起きやすくなるので注意してください。チップバーンの第一の原因にはカルシウム欠乏が挙げられるので、カルシウム剤を施用するなどしてチップバーン発生を予防しましょう。

 

参考文献

  1. 「2020年度 野菜と家庭菜園に関する調査」を発表|インフォメーション
  2. ケール/Kale:旬の野菜百科
  3. ケールってどんな野菜なの?気になるその味や栄養の秘密から毎日の生活に取り入れるコツ|健康食品通販のファンケル
  4. 苦いからおいしいへ〜今、注目されるケール〜-2020年2月
  5. 月刊 現代農業2020年2月号 身体によくてうまいケールを長くとる
  6. トキタ種苗・野菜品種カタログ・栽培ガイド 通常のケールよりも葉辺の欠刻がかなり強く、フリル形状が特徴で、立体的な

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