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日本農業を転換させる!?メイド・バイ・ジャパニーズとは

日本農業を転換させる!?メイド・バイ・ジャパニーズとは

将来、食産業の市場規模の成長性は日本国内と海外で大きな差が生じると言われています。日本国内の食産業の市場規模は、人口減少と高齢化が進むことで減少する見込みがある一方で、世界は人口増加と食生活の変化により増加する見込みがあります。特にアジアは著しい成長が見込まれています。

  • 世界の飲食料の市場規模
    2015年 890兆円 → 2030年の予測は1,360兆円(1.5倍)
  • アジアの飲食料の市場規模
    2015年 420兆円 → 2030年の予測は800兆円(1.9倍)

日本政府はこれらを背景に、農林水産物の輸出額目標を1兆円に設定し、この市場に食い込もうとしていますが、金額ベースで見た日本の農産物輸出(平成30年6月)を見ると、

順位

品目名

金額(百万円)

1

加工食品

143,012

2

その他農産物

53,088

3

畜産物

30,591

4

穀物等

18,736

5

野菜・果実等

17,345

農産物品目分類であっても、上位は「加工食品」。

細分化すると以下のようになります。

順位

品目名

金額(百万円)

1

ソース混合調味料(加工食品)

15,447

2

清涼飲料水(加工食品)

13,565

3

牛肉(畜産物)

10,827

4

日本酒(アルコール飲料)

10,530

5

植木等(その他農産物)

8,451

6

菓子類(米菓を除く・加工食品)

8,153

7

たばこ(その他農産物)

8,152

8

牛乳・乳製品(畜産物)

7,271

9

緑茶(その他農産物)

6,948

10

りんご(野菜・果実等)

5,949

引用元:【2018年版】日本の農作物輸出ランキング|農業メディア|Think and Grow ricci

農林水産業と全く関係がないわけではないものの、農林水産業とは関係性の低い品目が並んでいることもあり、農林水産物の輸出額目標「1兆円」が信頼できる数字かどうか疑問視する声も聞こえています。また世界の市場から「日本の農産物は高すぎる」という評価もあります。高品質・高価格な日本の農産物を富裕層に売り出すのも一つの手ではありますが、価格面が世界市場に食い込む際の障壁になってしまう可能性は十分あります。

そんな中、注目を集めているのが「メイド・バイ・ジャパニーズ」です。

 

 

メイド・バイ・ジャパニーズ

日本農業を転換させる!?メイド・バイ・ジャパニーズとは|画像1

 

文字通り「日本人が作った」農作物のこと。良質であり、世界に通用する価格で供給できれば、大きなビジネスチャンスにつながる。

引用元:窪田新之助、山口亮子、『図解即戦力 農業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』18ページ、2020年7月3日、株式会社技術評論社

“「日本人が作った」農作物”であっても、先でも述べたように“世界に通用する価格で供給でき”るかどうかは意識する必要はありますが、「美味しさ」の輸出だけでなく「技術」の輸出も注目を集めているのです。

メイド・バイ・ジャパニーズのメリット

  • 海外で売れている野菜等を日本よりも適した環境で育てられる
  • 関税や補助金等の貿易障壁を乗り越えやすい
  • 人件費カットにつながる

などのメリットが挙げられています。

例えば海外で売れている野菜や果樹、加工品があったとします。それを日本で栽培し輸出するのも一つの手ですが、農作物には気候や土壌など、栽培に適した環境条件等があります。環境条件を整えれば日本で育てることもできますが、その農作物が育つのに適した環境が日本以外にあるのであれば、海外で育てた方が品質は安定するでしょう。

それから「国内農業の活性化につながる」という声もあります。

例えば世界的に日本食が広がっていますが、海外の日本食で使われているコメはスペインや中国で生産されているものやアメリカの品種が用いられており、今後日本人以外が育てた、日本の品種以外のコメの供給量が増していくのではないかと考えられています。

メイド・バイ・ジャパニーズを掲げ、海外にある生産適地で、現地の人とともにブランド農産物を生産していくことは大きなビジネスチャンスになるだけでなく、国産の農産物が世界にも通用することの表れになり、国内農業の活性化につながるのではないか、というわけです。

 

 

新しい農業ビジネスの形

日本農業を転換させる!?メイド・バイ・ジャパニーズとは|画像2

 

メイド・バイ・ジャパニーズの考え方に、日本の伝統的な農業技術やノウハウが海外に盗まれてしまうのでは、と考える人もいるかもしれませんが、技術を有償で提供する土台作りや、現地の農業が抱える問題を解決するためにシステムを提案したり構築するビジネス展開を心がければ、ノウハウが盗用される心配は減らせるはずですし、新しいビジネスチャンスを見逃すこともなくなるはずです。

なおメイド・バイ・ジャパニーズの取り組み事例には、2019年に農林水産省が立ち上げたプロジェクト「J-Methods Farming(JMF)」が挙げられます。日本の種苗や農業機械、農薬や肥料などの高い技術を国際展開するもので、海外に日本の農業技術の高さと優位性を伝えるのが狙いです。

J-Methods Farmingの概略とこれまでの活動

 

参考文献

  1. 窪田新之助、山口亮子、『図解即戦力 農業のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書』、2020年7月3日、株式会社技術評論社
  2. メイド・バイ・ジャパニーズで農業を活性化
  3. 【2018年版】日本の農作物輸出ランキング|農業メディア|Think and Grow ricci
  4. 「メイド・バイ・ジャパン」で日本農業を大転換|IT insight|ダイヤモンド・オンライン

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