『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』

『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』

私が小学生だった頃の社会科の授業では、産業は第一次産業〜第三次産業までしか習ってきませんでした。しかし時代は変わり、今は第六次産業への注目が集まっています。農業についても同じです。

現代において農業では、農産物の収穫・販売だけが農家の形ではなくなってきました。注目されているもののひとつに「ソーラーシェアリング」があります。農業で得られる収入だけでなく、いわゆる太陽光発電によるエネルギーの売買収入というダブルインカムが望める取り組みです。

 

■ソーラーシェアリングとは

『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』画像1

ソーラーシェアリングについて詳しく説明していきます。これは自分たちの農地の上に太陽光パネルを設置することで、営農している際に浴びる太陽光を有効活用した発電事業となります。

スタンダードなモデルになると耕地上に藤棚のような架台を設置し、太陽光パネルを並べます。従来の太陽光発電とは違い、その構造は藤棚のように隙間が生じるため作物の生育に必要な太陽光が遮断されることもありません。むしろ植物には、一定量以上の太陽光は光合成に利用されないという“光飽和点”が存在するため、作物が利用しきれない太陽光をうまく活用できるといった点でも注目を集めています。

ソーラーシェアリングの魅力は、冒頭に述べたようなダブルインカムにもあります。現代の農業は技術が発達し、通常作物の取れない真冬であっても農業は可能かもしれません。しかし自然農法(肥料も農薬も利用しない農法)などに着手する人であれば、できる限り自然の状態で作物を育てようと思うものです。

ただ、それでは収入に結びつかない場合が考えられます。そのときこの太陽光による発電事業の収入があればリスクヘッジにもなりますし、後継者不足に悩む農家の悩みや耕作放棄地の活用にもつながると考えられています。

 

■ソーラーシェアリングの利点

『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』画像2

例えば太陽光がエネルギー源になりますから、二酸化炭素は発生しません。再生可能エネルギーのため、現代において注目されている“環境保全型農業”に結びつきやすいと言えます。
そのような取り組みに着手しつつ、ダブルインカムにより収益が安定して得られるとなれば、環境保全型農業や循環型農業といった、自然界と辛抱強く向き合う必要のある農法へ専念することも難しくなくなるでしょう。

農家のおかれている経済状況はもちろん、ブランド力や求めている収益率によっても差はあると思いますが、なかなか厳しい現状だと考えています。しかしダブルインカムにより収入の安定化がはかれれば、収入という不安のひとつが解消されますから、よりブランド力や品質を高めることができ、消費者へより安心・安全な農作物を届けることができるのではないでしょうか。

また個人的に強くおすすめしたいメリットが、太陽光パネルによって生じる日陰による夏場の作業しやすさです。一見するとあまり重要度の高くなさそうな利点かもしれませんが、日本の夏は猛暑日が珍しい存在ではなくなってしまったほど厳しい暑さが続きます。パネルで生じた日陰の下、涼しく作業ができることは、すぐに実感することのできる利点と言えます。

 

■ソーラーシェアリングの難点

『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』画像3

ただもちろん、強くおすすめしたいソーラーシェアリングにも難点はあります。太陽光パネル、そしてそれを設置する台は決して安い買い物ではありません。そのため、ある程度“投資”をする覚悟で取り組む必要はあります。

どうしても架台により農作業がしにくく感じるといった声もあります。大規模な農地の場合、パネルの下で農業機械を動かす場合も生じるでしょう。その場合には、トラクターなどが通っても問題ないように脚の長い架台を用意する必要があります。この架台にかけるお金を安く抑えた結果、脆弱な架台になってしまい、強風にあおられ壊れてしまったという話も聞きます。

また太陽光パネルのおかげで得られる日陰は“自分の”農作業にとっては涼しく便利なものになるかもしれませんが、周囲の農地に対して悪影響が考えられる場合には避けた方がベターです。太陽光パネルが設置可能な条件を満たしているかどうか、事前に確認することが必要です。

 

 

■直売所や倉庫の屋根にも活用できる!

『ソーラーシェアリングで農業に新たな試みを』画像4

ただ先に紹介したソーラーシェアリングは、耕地上につくる大規模なものでしたが、直売所や農業用倉庫にだけ活用するという手段もあります。カクイチで展開している「屋根貸し太陽光発電」はまさしく簡易的にソーラーシェアリングを始めるにはうってつけです。

太陽光パネルと屋根を一体化しているため、小さなスペースでも太陽光発電に取り組むことができます。加えて災害などに伴い、停電が発生した場合の非常用電源としてのモードも設定されているので、自然災害への備えにもなります。

実際に利用している人の声を聞くと、「倉庫であると同時に、発電もできる」という点が高評価であり、災害時に無償で使える電源であること、また太陽光発電のおかげで熱遮断性に長け、夏場でも涼しく過ごせるという利点もありました。

 

数あるカクイチの製品の中から
農家の方へオススメな製品をピックアップしました。


 

豆知識カテゴリの最新記事