完全無農薬マニュアル。害虫の天敵を知ろう!(テントウムシ編)

完全無農薬マニュアル。害虫の天敵を知ろう!(テントウムシ編)

アブラムシは無農薬栽培でなくても問題に

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農業は天候に左右されるだけでなく、病気や害虫被害への対策も必要になります。
特に注意が必要な害虫がアブラムシです。

農薬を使用していても発生する可能性があり、無農薬栽培を目指す場合はどのようにアブラムシの発生を抑制するかが重要になります。
アブラムシは一匹一匹は小さいものの、集団で植物の汁を吸うため葉っぱや新芽の育成に深刻な影響を与える可能性があるのです。環境が良くても葉の育成が悪いのが気になって裏を見ていると、アブラムシが密生しているというケースもあります。
植物の病気やウィルスを媒介することもあるため、事前の対策が必要になります。

無農薬栽培で農薬代わりに使われるのが酢や木酢です。
食用の酢が使われることもあり、臭いでアブラムシを寄せ付けなくなります。木酢は炭を焼くさいに発生する成分を集めたもので、燻製の様な香りがあり防虫効果に期待できます。
どちらも植物に影響がない程度に薄めて使われますが、周囲に民家がある場合は臭いで苦情が出る場合があるなど難点もあるのです。雨に弱い部分もあるため、定期的な管理が必要になります。

無農薬栽培はアブラムシ対策以外にも病気の予防のための対策や、雑草むしりなど様々な作業が必要になります。
アブラムシが発生してからでは酢や竹酢が効果を発揮しないこともあります。複数の手法を組み合わせるのも重要で、一つが効果が無かった場合は別な害虫にも効果があると言われる方法を導入するなど、試行錯誤が必要になる場合もあるのです。気候風土や立地によっても最適な答えは変わるため、常に工夫して学習することが大切になります。

 

テントウムシはアブラムシ対策に有効

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アブラムシ対策で有効な手法の一つに、テントウムシを使った駆除方法が挙げられます。
オーガニック先進国の欧米ではシーズンになると農業用に大量のテントウムシが売りに出されます。テントウムシはアブラムシを食べる習性があるため、畑に放すことでアブラムシの駆除が可能です。日本でも販売業者が存在し、様々なテントウムシが販売されています。

ただし、注意点もあります。テントウムシは空を飛べるため、畑にいついてくれるとは限らないのです。テントウムシが集まりやすいように畑の周囲に花や、複数の野菜の苗を植え、周囲からも呼び込む方法もありますが効率的とは言えなくなります。定期的に購入すれば維持コストが高くなる場合があるため、テントウムシと合わせてアブラムシを予防する予防策も実施する必要があるのです。

アブラムシは反射光を嫌う性質があるため、植物の根元にアルミホイルを敷区など工夫する農家もあります。アルミホイルの表面が汚れたりしてしまうと効果が薄れるため、やはり割に合うかは考えることも重要です。

飛ばないテントウムシを生み出したメーカーも存在します。
飛ばないテントウムシであれば移動範囲が限られるため、狭い範囲で効率的にアブラムシを駆除することが可能になります。
遺伝子組み換えなどではないため、周囲の生態系を乱す心配もないのが特徴です。幼虫の状態を購入するか成虫で購入するかで値段や取り扱いが変わる場合もあるため、メーカーに問い合わせなければわからない部分もあります。

ただし、飛べないテントウムシは比較的新しく誕生した商品であり、価格も高額で購入できるメーカーも限られます。採算をとるためには慎重な判断が必要です。

 

テントウムシの生態を知って農業に生かす

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農業において昔から益虫として知られているテントウムシですが、有効に活用するにはその生態についても良く知っておく必要があります。
テントウムシはアブラムシを主食にしており、温かい場所では2月から3月頃からアブラムシの発生に合わせて活動を始めます。
寒さに弱いため、冬は軒下や枯葉の下で密集して冬眠しており、目にする機会が減るのです。

春には十分に栄養を蓄えて葉の影などに卵を産み付け、幼虫から成虫になるサイクルを繰り返します。暑すぎる夏は木陰などで夏眠を行うのも特徴です。

暑さが収まる頃に再び活動を始め、産卵し、幼虫から成虫になります。テントウムシは年2回ほどの産卵期があり、寿命は200日ほどと言われています。そのため、極端に暑い時期や寒い時期を除いてよく見かけることがあるのです。

アブラムシも寒さに弱く、冬には死滅するためあまり影響はありませんが、夏場に大量発生した場合はテントウムシに頼れない可能性もあります。

また、テントウムシの種類によっては草食性で農作物に害を与えるものも存在します。テントウムシダマシが代表的な存在で、ナス科の植物に多く発生し、害虫被害を生み出すのです。畑にテントウムシがいるから大丈夫だと安心していると、農作物に深刻な影響が出る可能性もあるため注意が必要になります。

 

まとめ

全てのテントウムシが農作物に良い訳ではなく、活動する時期にも制限があります。
有効に使えば農業の役に立つものの、よく似た外注も存在するため見誤ると農作物の被害が拡大する恐れもあるのです。日々観察することと、しっかりと調べて状況を把握することが大切です。

 

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