緑肥作物の効果とそれぞれにおすすめな作物の種類について

緑肥作物の効果とそれぞれにおすすめな作物の種類について

緑肥作物とは、収穫を主な目的とせず、土づくりや雑草・害虫対策のために栽培する植物です。一般的には生育した植物を土にすき込みますが、不耕起栽培では刈り倒して地表を覆ったり、刈った茎葉をマルチとして利用したりします。

そんな緑肥作物のさまざまな効果をご紹介していきます。

 

 

緑肥作物のさまざまな効果

緑肥作物の効果とそれぞれにおすすめな作物の種類について|画像1

 

土壌環境を整える

緑肥作物の代表的な効果です。土に有機物を補給することで、土の粒が小さなかたまりをつくる団粒化を促します。団粒構造が発達した土は、水はけと水もちのバランスがよくなり、作物の根も伸びやすくなります。なお、地上部の茎葉だけでなく、土中に残った根も微生物によって分解され、土壌有機物になります。

また、緑肥の根が土中に伸びることで、硬く締まった土に水や空気の通り道ができ、下層土の硬度・透水性の改善などが期待できます。

土を肥やす目的には、ヘアリーベッチ、クローバー、レンゲなどのマメ科植物が適しています。マメ科植物の根には根粒菌が共生しています。それらの菌は、空気中の窒素を植物が利用できる形に変える「窒素固定」を行います。緑肥を刈り倒したりすき込んだりすると、その窒素が土に還元され、後作の養分として利用されます。

一方、土に多くの有機物を加えたい場合には、エンバク、ライムギ、ソルゴー、イタリアンライグラスなどのイネ科緑肥が向いています。イネ科植物は茎葉や根の量が多く、土壌の物理性改善やマルチ資材の確保に役立ちます。

雑草を抑える

緑肥の茎葉が日光を遮ることで、雑草の発芽や生育を抑えます。雑草抑制を目的とする場合は、ヘアリーベッチやムギ類などが候補になります。特にヘアリーベッチは地表を覆う力が強く、春から初夏にかけて旺盛に生育します。その後、自然に枯れた茎葉が敷き草のように残り、夏雑草の発生を抑える効果も期待できます。

ただし、緑肥が繁茂しすぎると、主作物と日光や水分、養分を奪い合うことがありますので注意してください。うね間で育てる場合は、作物に日陰をつくらないよう、早めに刈り取ることが大切です。

土の表面を守る

休閑地やうね間に緑肥を育てて地表を覆うことで、雨滴が直接土に当たるのを防ぎ、土壌侵食を抑えることができます。地温や水分の変化も緩やかになるため、土壌中の微生物や小動物が活動しやすい環境を維持できます。

害虫の侵入を抑える

緑肥作物には「バリヤープランツ」の役割もあります。これは畑の周囲に草丈の高い植物を植え、害虫の侵入を物理的に妨げる方法です。

代表的なものに、生育が速く草丈も高くなるソルゴーがあげられます。露地ナスの周囲をソルゴーで囲む栽培では、アブラムシ類やアザミウマ類の侵入抑制が期待できます。

ただし、背の高い植物で畑を密に囲むと、風通しが悪くなります。梅雨から夏にかけて湿度が高まると、病害が発生しやすくなるため注意が必要です。部分的に刈り取って風の通り道をつくるなど、畑の広さや環境に応じて管理してください。

天敵を呼び込む

緑肥作物は「バンカープランツ」としての役割もあります。バンカープランツとは、害虫の天敵を呼び寄せ、畑に定着させるための植物です。緑肥作物を畑の周囲に植えることで、クモ、テントウムシ、寄生蜂、ヒメハナカメムシなどの天敵が生息しやすくなります。

天敵が畑に定着すれば、アブラムシやアザミウマなどの害虫を捕食・寄生し、害虫密度を低く保つ効果が期待できます。

ただし、植えるだけで必ず害虫を防げるわけではありません。対象害虫や天敵、栽培時期に合った植物を選ぶ必要があります。

主作物との競合に注意

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緑肥作物にはさまざまな効果がありますが、先述したように主作物との競合にも注意してください。特にイネ科緑肥は生育中に多くの窒素を吸収するため、主作物の生育に影響する可能性があります。播種場所、刈り取り時期、後作までの期間をあらかじめ決めておくことが重要です。

目的に合った種類を選び、適切に管理することで、畑の空いている場所や期間を土づくりに活用できます。

 

参照サイト

涌井義郎「土がよくなりおいしく育つ 不耕起栽培のすすめ」(家の光協会、2015年)

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