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農用地の土壌汚染について知る

農用地の土壌汚染について知る

土壌汚染という言葉を耳にしたことがある人は多いかと思います。土壌汚染は農作物を含め、植物の生育に欠かせない土壌が自然由来や人工的に製造された有害物質によって汚染された状態を指します。土壌汚染が起こると農作物の生育への悪影響だけでなく、農作物そのものへの汚染も懸念され、育てた食物を食べる消費者の方々の健康被害にもつながる恐ろしい存在です。そこで今回は農用地の土壌汚染について知るためのお話をします。

■土壌汚染とは

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土壌は植物が生育する上で必要不可欠です。しかし土壌が有害物質に汚染されてしまうと、農作物の生育だけでなく人の健康等への被害を与えてしまいます。土壌汚染を引き起こす物質として有名なものは重金属、農薬、ダイオキシン、放射性物質等が挙げられます。重金属であれば、過去に引き起こされた公害などで検討のつく人もいるかもしれません。もちろんこの有害物質は自然界に元々存在するものもあれば、人工的に製造されたものもあります。砒素(ひそ)や水銀、カドミウムや鉛などは自然界に存在する有害物質として有名です。これら土壌汚染を防止することは、人への重要な健康被害予防対策へもつながります。

 

 

 

■放射能による土壌汚染

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現在土壌汚染の話題でよく挙げられるのは「放射能」「放射性物質」による土壌汚染なのではないでしょうか。放射性物質とはその名の通り放射線を出す物質のことであり、放射性物質が放射線を出す能力のことを放射能と呼びます。これらが土壌を汚染する場合には、飛散した放射性物質が土壌に沈着したり、農用地に欠かせない水の流れに乗って土の中を移動する中で、土が放射性物質を吸収することなどが原因として挙げられます。

放射性物質による土壌汚染から考えられる人への影響は、農家側から見れば農用地の土壌そのものから発せられる放射線による外部被曝の他、土壌を介して人が摂取してしまった放射性物質による内部被曝が挙げられます。そのため、食物を消費者へ提供する農家や企業は放射能による土壌汚染に敏感になったのです。

土壌汚染は専用の機器を利用して測定することができますが、放射線を出す物質という特徴から他の土壌汚染物質と比較すると測定のしにくさが目立ちます。例えば土壌表面に当てることで放射線を測定する直接測定の場合、あちこちの土壌で測定できるという点では優れていますが、放射線は決して測定しようとしている土壌だけから出ているわけではなく、空間を飛び交う放射性物質によって精度が低いのが難点です。

また土壌の一部を試料として採取して屋内で測定する方法は、前者に比べると精度が上がる分、時間と費用がかかる難点があります。

 

 

 

■自然由来の土壌汚染

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また決して自然由来の土壌汚染が滅多に起きないということはありません。元々土壌は重金属類を含む岩石が基である微細な粒子や水、空気、微生物や植物、動物の死骸等様々なものから出来ています。そのため有害物質として指定されている重金属自体が存在していることは自然なことなのです。その土壌が出来た背景によっても土壌汚染の度合いは変わります。農用地に限らず東京都有楽町周辺においても、重金属による土壌汚染は確認されていると言います。このようなタイプの土壌汚染の調査は、まず初めにその土壌汚染が自然由来かどうかの調査から始まります。

 

 

 

■土壌汚染の対策

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自分の農用地での対策として、土壌汚染の予防を兼ねた方法をご紹介します。もし土壌汚染が確認された場合には、汚染されているであろう作物やその他生育している植物は根から取り除くことをおすすめします。勇気のいる決断になるかもしれませんが、その後の農用地のことを考えると汚染拡大を防ぐためには必要な行為と言えます。また有害物質を取り除くのに効果的な酵素を生成する植物や微生物の力を借りて、土壌汚染の状態を元に戻すのもおすすめです。効果的な植物として菜の花などが挙げられます。

土壌汚染によって農作物が汚染されないための予防として、汚染の影響を受けやすさを把握して農作物を植えるのも効果的です。例えばナスやトマト、ネギ類などは汚染の影響を受けにくいのですが、菜種やキャベツ、大根などは汚染の影響を受けやすい食物のため、避けた方がベターです。土壌汚染は水流からの汚染可能性も高いので、農用地に引いている水の汚染についても確認しておくべきでしょう。

 

 

 

■リスク回避を念頭に

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放射性物質による土壌汚染においては、農用地の土壌そのものが汚染されていた場合だけでなく、土づくりのために用意した堆肥や肥料からも起き得ます。そのため肥料等を利用する場合には事前に線量計で放射性物質を計測したり、すでに検査量が基準値以下のものを選んで購入することをおすすめします。

消費者に安心して農作物を食べてもらうためには、最早必要不可欠な行動と言っても過言ではありません。とにかく健康被害が発生するというリスクを回避すべきだと考えます。土壌汚染の影響を受けた農作物を摂取してしまうと、必ず健康被害が発生してしまうとは考えにくいですが、その被害が起きてからでは遅いのです。

土壌汚染は見た目で簡単に分かるようなものではありません。そのため常に意識して、予防と対策を練り、安心安全な農作物を提供する必要があります。土壌汚染に関しては、農家と消費者の理解をつなぐためのリスクコミュニケーションの考え方が勧められています。土壌汚染について互いに把握し理解を深めることで、健康被害への不安感を取り除くことができますし、今後の農業について消費者と共に考えることができます。

自分だけでは測定がどうしても難しい場合には、業者に委託するのも重要だと考えています。予防と対策を重視し、安全安心な農作物を提供できるように努めましょう。
参考文献
1.保坂義男、大木久光、高堂彰二、大岩敏男 『今日からモノ知りシリーズ トコトンやさしい土壌汚染の本』(2013)、日刊工業新聞社
2.独立行政法人 農業環境技術研究所 原子力発電所事故等による土壌・農作物の放射能汚染に関する情報ポータル
3.公益財団法人日本環境協会 第3章 土壌汚染に関するリスクコミュニケーション

 

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