農業従事者の収益化と労働をサポート。ICT技術の浸透はすぐそばに!

農業従事者の収益化と労働をサポート。ICT技術の浸透はすぐそばに!

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昨今、農業は就業人口の減少が目立ち、農業従事者の高齢化や後継者不足が問題視されています。
またそれらの問題に伴い、農地を維持できず手放さざるを得ない耕作放棄地の増加も懸念されています。このような問題を解決するためには、若い農業従事者の確保や労働負担を減らし、収益が効率よく得られるような仕組みになることが重要になってくるのではないかと考えられています。

そんな中、今注目を集めているのがICT技術です。

 

ICT技術を活用した農業とは

ICT技術を活用した農業は、人工知能やロボット技術、インターネットを介した生産・販売の管理などで労働負担の軽減や、より効率的な収益化を目指すことができます。巷では「スマート農業」とも呼ばれています。

大規模な農業を行なっている人の中には、すでにこのICT技術を駆使して、ビニールハウスで栽培している農作物の管理を、ネットで管理している人もいます。現状では、65歳以上の農家がまだまだ多く、スマートフォンの普及が浸透しているとは言い難いかもしれませんが、恐らくICT技術を使いこなせる世代によって、農業の在り方が変わるのもそう遠くない未来と言えるでしょう。

実際、ICT技術を活用した農業を浸透させるべく、専用のアプリケーションの開発や、ICT技術を活用したセミナー、学習会などが目につきます。

 

ICT技術によって得られる利点

ICT技術によって、農業はどのように変化していくのでしょうか。分かりやすい利点をいくつか述べると、

 ・作業効率の向上
 ・農業経営効率の向上
 ・農業教育のマニュアル化がはかれる
 ・人材育成に時間をかけられる

などが挙げられます。

ICT技術によって作業が合理的に進むようになれば、農作物の生育に必要な水やりや施肥、温度管理や湿度管理といったあらゆる農作業にかける時間を削減することができます。
もしこの技術によって必要最低限の作業で済むようになれば、農業に必要となる資材も沢山用意する必要がなくなり、低コスト化にもつながります。またデータの蓄積や分析は、何も農作業だけに限った話ではありません。農業に必要不可欠な経営の管理、販売や事務仕事といった作業も管理できるため、業務面での農業作業も効率よく行なうことができるでしょう。

顧客管理や売り上げ実績などが自動的にデータ化されれば、自分達が本来一番力を注ぎたいであろう農作業に集中することができるので、やるべきことに集中できるという点でもメリットがあります。

また現在問題視されている後継者不足も、農作業の労働負担がICT技術によって削減されれば、その空いた時間を有効活用して新規就農者への指導を行なうことができるでしょう。むしろ栽培データが蓄積され、農作物に最適なデータ管理がなされていれば、今まで「長年の経験」が頼りだった農作業に「マニュアル」ができ、農作業を全く経験したことのない新規就農者が農作業に慣れ親しみやすくなるとも言えます。
データの蓄積は生産者側を楽にさせるだけでなく、消費者側の安心志向にも答えることができます。生産履歴を追うことができれば、トレーサビリティの導入もしやすくなり、消費者が知りたい情報を得やすくなり、生産者と消費者の関係がオープンなものになると言えます。

めまぐるしい発展を遂げるIT産業に、「追いつけなくなりそうで不安」と感じる農業従事者の方もいるかもしれませんが、これらの発展が農業の抱えている問題を解決するのは、そう遠くないのです。

 

ICTを導入したトマト栽培が有名

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実際にICTを導入し、農作物の栽培を行なっている例があります。平成25年7月24日に始まった「こまつ・アグリウェイプロジェクト」では、農作業の効率化を目指してICT技術が導入されました。このプロジェクトが目を向けているのは生産性向上だけではありません。雇用問題や農業人材の問題にも目を向け、地域経済を活性化させることも目的に始まっています。そのため栽培だけでなく「独自で加工品を開発し、製造・販売をする」といった農業の6次産業化にも力を注いでいます。

トマト栽培で利用されているICT技術の詳細をご紹介します。
ビニールハウスで育てられているトマトですが、この内部の温度・湿度、日照といった生育に必要なデータは設置されているセンサーで測定し、それらはクラウド上に蓄積されます。
クラウド上に蓄積されることで、パソコンやスマートフォンがあればいつでもどこでも栽培状況を確認することができます。それらのデータを活用することで、生産者は必要となれば換気や水やりを適宜行なうことができるのです。農業計画や農薬散布状況なども登録できるため、新しい農業従事者へはデータとして経験を伝えることができます。

データ化は、今までの農業で言う「経験と勘」が目に見える形で蓄積されるようなものです。そのため、この技術を利用している生産者の中には、「状況がこまかく分かるようになったからこそ、こまめにチェックするようになった」という声も挙がっています。「経験不足を補える」という声も挙がっています。

私も一度ICT技術を取り入れている農場へ見学に行ったことがありますが、機械によって一括管理されているハウスは、私が想像していた「従来の農業」像を変えるものでもありました。
しかし実際に、若い農家さん達がその中で積極的に農作物を観察・手入れしていたところを見ると、現在日本の農業が抱えている高齢者問題等を解決する手だてにはなると考えています。
高齢となった就農者が、足腰を悪くしてしまい広い農地を活用できなくなってしまった例も知っています。しかしこれら技術によって、必要最低限の労力で収穫・収入が得られるようになれば「続けたい」と思う限り続けられると思いますし、「農業をやってみたい」と考える若い世代の関心を削ぐ心配もないでしょう。今後の技術拡大に期待大ですね。
 

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