カラスによる農作物の鳥獣被害額は第3位!対策方法は?

カラスによる農作物の鳥獣被害額は第3位!対策方法は?

カラスの被害というと、都会のゴミを食い散らかすといったイメージを持つ人もいるでしょう。農業では直接的な害獣として知られ、カラスによる農作物への被害額は16億5100万円にも上りました。

鳥類による被害の中では堂々の1位で、哺乳類を含めた鳥獣の中でもシカ、イノシシに次いで3番目に被害額の大きな鳥獣となっています。(平成27年度)カラスによる被害額自体は年々減少していますが、それでも被害は甚大です。この記事では、カラスへの対策方法を考えていきます。

■カラスの生態について知ろう

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農作物に被害を与えるカラスは、主にハシブトガラスとハシボソガラスです。ハシブトガラスは日本全国に分布し、ハシボソガラスは九州以北の地域で、ともに通年活動していますがハシボソガラスの方が田畑に近い環境に多く見られます。雑食性で、果実や昆虫、鶏の卵やヒナまで食べてしまいます。魚やゴミ、残飯も好んで食べます。

ハシブトガラスはハシボソガラスに比べて肉食の傾向が強く、時には生きている家畜をついばむこともあり、雑菌による感染症で病気になる家畜もいます。

繁殖期は3~7月で、10~20mの樹上または鉄塔に巣を作ります。高所に巣があるので駆除が難しいのが現状です。秋から冬には若いカラスが群れを作り、中には数千羽の規模に及ぶ群れもあります。知能は高く、小学校低学年なみの知能を有することがわかっており、6までの数が数えられるそうです。ビニールハウスの中身を見破ることもあり、ビニールを破って農作物を荒らすケースも報告されています。

 

 

 

■カラスの対策は予防が大事!

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カラスは賢いので、一度餌場と認識すると同じ場所に集まってきます。そのため、カラスのエサとなるものを放置しないことがカラス被害の予防につながります。カラスが見られる地域では、防鳥ネットで対策をしましょう。「ネットがあるからここではエサを食べられない」とカラスに認識させるのです。このとき、ネットの網目が大きいと網目からくちばしを入れて農作物を食べてしまいます。ネットと地面の間に隙間があると、そこから中に入り込みますし、ネットの張りが緩いと、体重をかけてネットをたわませて農作物を食べてしまいます。

テグスや糸、針金によるカラス対策もあります。鳥類は糸が体に触れるのを嫌がるため、一定の効果が得られます。コストも防鳥ネットに比べて安く、手軽なカラス対策と言えます。ただし、農作物全てを守れるほどの効果はありません。

音や異物で警戒させて追い払う手段は、昔から行われてきました。代表的なものは案山子(かかし)です。キラキラ光る防鳥テープや吹き流しは、風によって不規則に仕掛けを動かすことでカラスの警戒心を煽ります。銃声を定期的に再生する装置や、音と同時に模型を打ち上げる複合型爆音機も市販されています。

いずれも一定期間は効果がありますが、長く続くとカラスが慣れてしまい、効果が薄れてしまいます。カラスの死体を吊るしておく方法もあります。危険を察知したカラスが避けてくれる効果が期待できますが、低い位置に吊るしてしまうと狐や野犬に取られてしまいます。

 

 

 

■捕獲による対策

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カラスを捕獲すればカラスの数そのものを減らすことができ、危機感を持ったカラスが去っていく効果も期待できます。長期的に見て被害を軽減できるのがカラスの捕獲による駆除です。

銃による捕獲や駆除は、カラスの個体を減らすことと同時に、銃声で追い払う効果が得られます。短期的に追い払い効果が高いうえに、カラスに危険な場所を覚えさせることで、その後の被害も軽減できます。カラスは賢いため、ハンターの服を覚えます。継続的にカラスを駆除していけば、遠くからハンターを見ただけで危険を察知したカラスが逃げていくようになります。銃による捕獲は人手と時間がかかり、銃や狩猟免許の取得など課題は多いのですが、効果は高いとされています。銃による捕獲が行えない場合、はこわなによる捕獲も検討してみましょう。

罠を設置して放置しておけば良いため、銃を持ってパトロールするのに比べれば労力が少なくて済みます。箱罠は中にエサを入れてカラスをおびき寄せるため、うかつに仕掛けるとエサでカラスをおびき寄せてしまい、守るべき周辺の農作物を荒らされることがあります。これを防ぐために、カラスの生息地から畑の間の「カラスの通り道」に仕掛けましょう。
また、藪の中に仕掛けると、カラスが罠に気づかないことがあります。反対に、ただっ広い場所に仕掛けると警戒されて罠にかかりません。カラスは見慣れない場所に近づく際、近くの木や人工物に止まって観察する性質があります。そういった木等の近くにはこわなを置くと良いでしょう。

 

 

■まとめ

カラスは空を飛ぶことから、捕獲も難しくシカやイノシシとは全く違う対策をしなければなりません。数が多くて活動範囲が広く、特に果樹園では大きな被害をもたらします。一度カラスに狙われた場所ではその後の被害の防止が難しいため、まずは予防が第一です。カラスの餌になるものを置かないようにしましょう。運悪くカラスに狙われてしまったら、この記事の内容を参考にしてカラスの排除を目指してください。

 

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