深刻なシカによる農作物の被害。原因と対策まとめ

深刻なシカによる農作物の被害。原因と対策まとめ

農業に最も大きな被害を与えている動物はシカです。

シカ被害画像1

シカによる農業被害額は59億6100万円にも上り、野生動物による食害全体の実に33.77%を占めています。

さらに驚くべきは被害面積で、シカは51.2haもの農地を食い荒らしました。食害を受けた農地の面積全体の63%がシカ被害によるものです。(全て平成27年度統計)農作物だけにとどまらず、シカによる森林被害も問題となっています。

シカは樹皮を剥ぎ取って食べるため、立ち木はそのまま枯れてしまいます。せっかく育てたヒノキなどが被害に遭っており、林業への影響は甚大です。草も大量に食べ、特に若い芽は柔らかいので真っ先に食べられてしまい森はどんどん減っていきます。シカは可愛らしい印象がありますが、れっきとした害獣なのです。

■シカの被害が多い原因は?

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シカによる被害が多い原因は、【環境省のデータ】から見て取れます。

まず、シカ肉やシカ皮の利用が減り、シカの捕獲数自体が減少したことが原因です。あえて野生のシカを捕獲するよりも、安い代用品が大量に存在するため、シカを獲る必要がないのです。

ハンターが高齢化・減少したこともシカの数が減らない原因です。捕獲する人自体が減ってしまっているので、獣害があっても適切に駆除ができません。日本にはシカの天敵がおらず、クマもわざわざシカを捕まえて食べないためシカの数は減りません。駆除ができないので、シカの自然淘汰に頼るしかない地域もあります。

温暖化などの影響で積雪が減ったことも一因とされています。積雪が少ないとシカの行動範囲が広くなります。かつては冬を乗り越えられないシカもいましたが、雪が少ないと広範囲を歩き回ってエサを求めることができるようになります。結果として、餓死するシカが減ってシカの生存率が上がったのです。

耕作放棄地が増えたのも原因です。放棄された農地には雑草や低木が生えます。それを狙ってシカが来るのです。やって来たシカはやがて周辺の農地の作物も食べるようになり、被害面積が拡大します。

 

 

 

■対策

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シカから農作物を守るには、主に以下の3つの方法があります。

柵や電気柵

農作物を物理的に柵で囲って農作物を守ります。シカは跳躍力があるので、通電しない通常の柵であれば1.5~2mほどの高さの柵が必要です。一気に飛び越えられない柵でも、ジャンプして前半身を柵の上に載せて、後ろ足で地面や柵自体を蹴り上げて乗り越えてしまいます。シカの体重は40~110kgもあるので、柵に身体を載せられただけで柵自体が壊れる場合もあります。

電気柵であれば、もう少し低くても大丈夫です。身体を載せた時点で電気的な刺激を感じるので、驚いたシカは逃げてしまいます。ただ、電気柵に触ってくれないと意味がないので、ポールやワイヤーの間隔を調整して、子ジカでもくぐれないようにしてください。地域によっては柵や電気柵の設置の際に助成金を受けられます。自治体の担当窓口に問い合わせてみましょう。

音や光で威嚇する

風流な音を奏でる「シシオドシ」は、本来「鹿威し」と書きます。そもそもは音でシカを追い払う農具でした。現在ではシシオドシでなく、音の出る機械で犬やオオカミの鳴き声または銃声を再生し、その音でシカを追い払う方法があります。

LEDライトの光でシカを警戒させて追い払う機械も市販されています。これらの機械は柵が設置できない場所にも設置することができますが、音や光にシカが慣れて効かなくなる可能性があります。定期的にランダムで音や光を発する装置がありますが、やはり長期間使い続けると効果が薄くなるとされています。センサーでシカの侵入を感知したときのみ音や光で威嚇する商品もありますが、こちらはセンサーのあるところをシカが通らないと作動しない欠点があります。

罠で捕獲する

狩猟期間内であれば、狩猟免許がなくても一定の場合に限りシカ用の罠を設置できます。狩猟期間は基本的に11月15日から2月15日ですが、詳しくは各自治体の担当課に確認しておきましょう。また、設置には敷地所有者の許可が必要だったり、法的な規制があったりします。この点も各自治体の担当課に確認が必要です。捕獲してしまえばシカの数自体を減らすことができますが、設置した罠を回避する賢いシカもいるので過信は禁物です。

 

 

■まとめ

ニホンオオカミがいなくなり、シカ革やシカ肉の需要が減って以降、シカの繁殖力は驚くべきものがあります。この20年間で約9倍に増えているとされ、シカによる害も増加しています。シカの被害は農作物や森林への食害のみに留まらず、車道へ飛び出してくるシカに衝突する自動車事故や、電車の線路に侵入したシカに接触する電車事故なども起きています。

環境省ではこの状況を重く見て、若手ハンターの育成を促したり鳥獣捕獲業者を認定する制度を作ったりしていますが、効果が出るにはまだまだ時間が掛かります。シカとの戦いは難しく長いスパンで考えなければなりませんが、年々新しいシカ被害防止グッズも発表されています。そういった商品の情報を常に確認し、少しでも有効な策を考えてください。

 

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