害獣キョンについて。キョンの生態と防除方法とは。

害獣キョンについて。キョンの生態と防除方法とは。

キョンは生態系に被害を及ぼすおそれのある特定外来生物に指定されています。千葉県南部ではキョンの大量繁殖が問題となっています。近頃は、これまで生息が確認されてこなかった茨城県でも確認され、茨城県は県内に定着させないためにも、キョンの動態を注意深く見ています。

千葉県のウェブサイトによると、キョンによる農作物の被害金額はイノシシ等に比べると少ないとあります。しかし近年の大量繁殖もあってか増加傾向にあります。またキョンは野菜、水稲、豆類、イモ類、果樹など幅広い農作物に被害を及ぼします。

そこで本記事では、害獣キョンの生態とその防除方法について紹介していきます。

 

 

キョンの生態

害獣キョンについて。キョンの生態と防除方法とは。|画像1

 

キョンはシカ科の小型草食獣で、体長は中型犬と同じくらいで約70cmです。元々は日本に生息しておらず、中国東南部、台湾に自然分布している生き物です。現在、日本では千葉県と東京都伊豆大島に野生化した個体が見られます。

キョンの驚異的な繁殖スピードが、千葉県などで見られる大量繁殖につながっています。キョンのメスは早ければ生後半年ほどで妊娠でき、生後1年〜1年2ヶ月程度で子供を産むことができます。また年間を通じて繁殖すること、出産後すぐに発情できることも、驚異的な繁殖スピードの要因の一つです。

農作物への被害事例

キョンは主に木本の葉や果実を食べます。ですが、千葉県では水稲、イモ類の被害が、伊豆大島では特産のアシタバや椿油用のツバキの葉、キュウリなど、葉茎菜類や果菜類への被害が報告されています。

キョンの被害はイノシシ等に比べると少ないとされていますが、シカによる被害と判断され、キョンの被害として報告されなかった可能性や、農業被害にあっても報告されてこなかった可能性もあり、キョンの被害が実際にはさらに多いことも考えられます。

 

 

防除策

害獣キョンについて。キョンの生態と防除方法とは。|画像2

 

まずはほ場周辺の環境管理についてです。これはキョンに限らず、さまざまな農業害獣から農作物を守るうえでとても重要です。

ほ場周辺の草刈りなどで見通しをよくし、森林や周辺の薮と田畑の境目をはっきりさせると、害獣にとって身をひそめられる場所がなくなり、害獣を田畑に近づきにくくすることができます。

また野菜くずや取り残した果樹など、動物にとってエサとなるものをほ場周辺に置かないことも重要です。

次に、キョンの食害防止として有効なのは侵入防止柵の設置です。キョン以外の動物にも効果的ですが、それぞれの動物の特性を理解して、高さ等の設定を行うことが重要です。

キョンの場合、体高は40cmほどですが、垂直に70cmほど跳び上がることがあります。この跳び上がり分を考慮して柵の高さは90cmほどに設定します。

柵を用意する際、金網柵のみの方が電気柵に比べると安価ではありますが、他の動物(サルなど)の侵入を許してしまう場合が高いため、柵やトタン板などを複合的に設置するのがおすすめです。

まず周囲を覆う金網柵は目合いが5〜8cmのものを選びます。目合いが7.5cm以下のものであれば、イノシシやシカのみならず、タヌキやハクビシンの防除にもつながります。目合いが5cmやそれ以下のものであれば、より小型の動物(イタチやテンなど)の防除にもなります。

キョンに対して電気柵を設置する場合は、電気柵が通りやすい鼻先に触れる位置に設置する必要があります。キョンに有効な電線の張り方は地上5cm、10cm、20cm、40cmの4段構えです。

ただし、一番下に張る地際から5cmの電線は、地面に凹凸があると施行が難しいため、千葉県が公開する資料ではネット柵が推奨されています。ネット柵の場合も、高さは90cm以上、1mほどの高さに設定し、目合いは5cm以下のものを選びます。

シカ科の動物はネット上部に前足をかけたり、ネットの裾をめくったりして侵入を試みるため、ネット上部をパイプ等で固定してネットが下がらないようにしたり、ネット下部をペグで隙間なく固定する、下部にトタン板を設置するなどの方法がおすすめです。

 

参考動画(柵の設置)

 

参照サイト

外来種“キョン” 千葉・房総半島で大量出没 対策を一緒に考えてみた | NHK
3.キョン対策
千葉県キョン防除実施計画 平成25年3月 千 葉 県
3.キョン
集落で出来る獣害対策
知っておいてほしい用語集 – 千葉県

(上記2024年2月8日閲覧)

鳥獣被害カテゴリの最新記事